昨年の東京六大学秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)では、1年生ながら多くの登板機会を得た西垣雅矢(スポ2=兵庫・報徳学園)。今年に入っても、春季オープン戦で結果を残しており、今春の第2先発筆頭候補として名前が挙がっている。大きな期待を寄せられている西垣に、春季リーグ戦での目標やチームの状態などを伺った。

※この取材は4月5日に行われたものです。

沖縄キャンプ・オープン戦を経て


取材に応じる西垣

――今の状態を自分自身ではどのように捉えていらっしゃいますか

去年は自分で調整してというか、高校時代の練習をして、大学に入ってという感じだったんですけど、1年間シーズンを通して自分が経験したことを踏まえて、課題が出た中で冬やってきたということで、去年とは全く違った冬を過ごせたなというのはあります。

――オフシーズンはどのように過ごされたのでしょうか

オフシーズンは、秋は長いイニングを投げることができなかったので、しっかり7回、8回投げて勝ちが付くようにというのをすごく意識したので、スタミナを強化するというのは一番のポイントでしたね。

――沖縄キャンプに入る前の状態というのはどのような感じだったのでしょうか

沖縄の方が(暖かくて)体が動くので、沖縄でしっかり投げ込みをしようというふうに考えていました。特に肩肘も問題なかったので、すごくいい状態で沖縄キャンプに臨めたかなと思います。

――昨年12月の対談の中で、セットポジションへのフォームの改造や、直球の質の向上に取り組みたいと話していましたが、その点について現状ではどのように感じていらっしゃるのでしょうか

去年よりは自分の投げたいところにというか、コントロールは絶対良くなったという自信があって、それが試合の中で四球の少なさとかにも表れてきているので、その面では良くなったかなと思うんですけど、ストレートの質という点では、まだ自分が目指しているものよりは全然納得がいっていないという状況です。

――昨年も30回1/3を投げて与四死球は7つという数字を残していました

ストライクの中でも、ちゃんとコースを狙えているという意味でのコントロールですね。四球は元から少ない方かもしれないですけど、ストライクゾーン内のコントロールという面で、去年よりはしっかりコースに投げられているかなというのはあります。

――昨年の対談では、『先発完投』を意識しているとおっしゃっていました。ここまでスタミナ強化に取り組んで、成果として何か感じられるものはありますか

前までだと4回くらいでバテ始めていたんですけど、今年のオープン戦では、6回、7回入るところぐらいまで(バテずに投げられる)。今は7回くらいが最長なんですけど、とてもテンポ良く抑えられているというか、少し長いイニングが投げられているというのは実感が湧いてきています。

――沖縄キャンプを終えての自己採点はどれくらいでしょうか

ちょっと難しいですね…。けがしなかったというのが一番なので、70点くらいですかね。

――沖縄キャンプから春季オープン戦をこなしていく中で、発見したことや実感したことは何かありますか

いい面で言うと、監督(小宮山悟監督、平2教卒=千葉・芝浦工大柏)から「カーブを覚えろ」と言われて、カーブを投げ始めてすごく楽に打ち取れるというのが、少し増えたかなっていうのがあります。悪い面で言うと、変化球に頼ってしまうというか。序盤に変化球中心になってしまうと、やっぱり4回、5回でその変化球が捉えられてくるので、この二つが今自分の感じていることですね。

――春季リーグ戦開幕まであと少しですが

リーグ戦までオープン戦はあとあした(共栄大戦)と神奈川大学戦だけなんですけど、あしたは投げないので。あと1回投げるか投げないかなので、そこで悔いないようにというか、しっかり最後の仕上げということで修正できたらいいなと思います。

――今のチームの状態をどのように見ていらっしゃいますか

沖縄と関西・愛知遠征ぐらいまでは、バッター陣もそんなに点が取れなくてというのがあったんですけど、(東京に)帰ってきてからすごくバッティングの調子も良さそうですし。ピッチャーも最近ちょっと崩れていますけど、(それ以外の試合では)0点か1点に抑えているのでこういう戦いができたら勝てると思うんですけど、この前の社会人対抗戦みたいにピッチャー陣が四球とかで苦しい展開になってしまうと、勝てないなというのは感じます。

――小宮山監督 からの指導は今のところどのような感じでしょうか

もっと難しいことを技術的に言われるのかなとは思っていましたけど、単純というか、簡単そうで難しいことを言われる方です。言われていることはすごくシンプルなんですけど、確かにそれができたら抑えられるよなっていうことを言われるので、意識はしやすいですね。それを完璧にこなすのは難しいですけど、それを意識するのはすごく簡単なことだと思います。

――例えばどのような内容でしょうか

「3球で2ストライク1ボールをつくれ」というのを言われています。「2ストライクから集中して投げれば、まず打たれることはない」というふうに言われるので。確かに(カウント)1ー2をつくると、確実に相手の打率は下がります。これを意識するのは簡単なんですけど、それを完璧にするというのが難しくて、それができたときは抑えられているので、そういうところですかね。

――先ほど話に出たカーブというのは元々持っていた球種なのでしょうか

カーブは持っていたんですけど、1試合で投げるか投げへんかぐらいの球だったので、それでカットボール、スライダー、フォークでやっていたんですけど、どうしても(それらの変化球の)球速が結構一緒なので。それを拾われるシーンを見て、小宮山監督がアドバイスをくださったと思います。「1球100キロ台のカーブを投げることによって、緩急を生かせていいんじゃないか」というアドバイスを受けたので、そこを少し練習というか、試合の中で使っていこうっていうふうにしました。

――カーブの手応えはありますか

今までそんなにストライクは入らなかったんですけど、今は結構精度は上がってきているので、使っていこうかなというのはあります。

今春、自らに課すもの


今季は投球回数を意識するという西垣

――今シーズン意識する数字は何でしょうか

イニング数ですね。

――昨春が5回、昨秋が25回1/3でした

第2先発して、全部9回投げたらなんぼっすか

――5試合×9イニングで45イニングですね

7イニング… 35(イニング)! 35イニングで! 35イニングって規定回数届きます? 規定回数何イニングでしたっけ?

――昨秋の西垣投手の成績で規定にぎりぎり届きませんでした

乗ってないんですよね。3戦目とか行ったら増えるんですよね。全部3戦目までいって15戦戦ったら…。1試合2イニングとかでしたっけ

――チームの試合数×2回が規定投球回数です

まあでも35イニング投げれば規定はいきますよね。(毎試合)7イニング投げて35イニングで!

――先発として長い回数を投げて後ろにつなぐということが求められるシーズンになると思います

1イニングなら抑えられるというリリーフ陣がそろっていると思うので、できるだけ自分と早川さん(隆久、スポ3=千葉・木更津総合)が長いイニング投げるっていうのがいいと思うんで、最低でも7イニングは投げたいですね。

――1回戦と2回戦、土曜と日曜、どちらで投げたいなどの希望はありますか

欲を言えば土曜日ですけど、今の感じだと日曜日なので。早川さんにしっかり勝ってもらって、自分が二タテ(連勝)できるように投げるって感じですかね。

――西垣投手から見た早川投手とはどのような投手ですか

とりあえず球が速いですし、かといってコントロールが悪いということでもなく、テンポ良くポンポンと抑えていく感じするので、すごくレベルの高いピッチャーだなというのはあります。

――一番脅威に感じる大学はどこですか

法政大学ですね。

――その理由は何でしょうか

自分が去年の秋打たれたんですけど、宇草さん(孔基、4年)とかに打たれた印象があるので。自分の中では、法政の打線が怖いなと。

――ライバル視する選手は誰かいらっしゃいますか

ライバルか…。う~ん(考え込む)、そんないないですね。

――同じ大学や同い年の投手などいかがですか

徳山(壮磨、スポ2=大阪桐蔭)ですかね、同じチームで言ったら。同じ右ピッチャーで、切磋琢磨して四年間やっていかないと駄目だと思うので、同じ大学だと徳山ですね。

――球速へのこだわりはありますか

自分も速い球投げたいんですけど、投げられないんで、自分は…。あいつ(徳山)はすごい速い球投げてますけど、今の状態では球速では勝負できないんで、変化球だったりコントロールだったりで、何とかバッターを抑えられればいいかなと思っています。

――昨年の経験を踏まえて今年に生かしたい部分はありますか

去年は本当に、岸本さん(朋也、平31スポ卒=現明治安田生命)とかにずっと引っ張ってもらった感じで、考えるというよりはただ投げていたという感じの方が多くて。でも今年になって小藤さん(翼副将、スポ4=東京・日大三)ともっとコミュニケーションをとろうと。キャッチャーとのコミュニケーションがとれているので、去年の秋のことを生かして、試合中でもコミュニケーションをとりながら投げられればいいなと思います。

この先に見据えるもの

――残り3年間の大学野球生活で成し遂げたいこと、成し遂げてみたいことはありますか

20勝ですかね。一つの目標として、20勝くらいは…。

――今通算2勝で、あと3年で18勝ということになります

最低でも(20勝)ということで。20勝するピッチャーはなかなかいないので、(毎シーズン)3勝をずっとけがせずに(挙げ続ける)というのが大事というか。1シーズンでも欠けてしまったら難しくなると思うので、ずっと投げ続けるという意味でも、やっぱりチームに勝ちを付けたいというのはピッチャーとしてあります。

――将来はプロ志望の西垣投手。昨年までチームメートだった小島和哉選手(平31スポ卒=現千葉ロッテマリーンズ)と比較して、プロへ行くために足りないものは何か感じていますか

投げる体力…、全部ですね。ストレートも変化球も。強いて言うならやっぱりストレートですね。ストレートと投げる体力ですかね。小島さんはやっぱりストレートのキレもすごかったですし、なにせ体力がすごいというか、ずっと投げられるというか、すごかったので…。自分はまだそんなに投げられないので、一番はストレート、二番目は投げる体力ですかね。

――昨秋、チームの半分以上の回数を投げていた小島選手の穴をどう埋めていきましょうか

そうですね、小島さんが抜けたとのは、おそらくリーグ戦が始まってもっと気付くと思うんですけど、小島さんのすごさっていうのは、もう…。早川さんに頑張ってもらうしかないんじゃないですか…(笑)。

――西垣選手が35回を投げれば、かなり穴も埋まります

それができれば。7イニングまで投げているということはそこそこ抑えているということなので。打たれちゃうと代えられちゃうんで、長いイニング投げるということが、自分の中ではそれが一番チームのためになるかなっていうのは思います。

――将来どのような選手になりたいですか

こういう選手になりたい…、難しいっすね。長く野球をやりたいですね。今のところ大きなけがをしていないですし、これからもケアしていきますが、大きなけがなく長くやるというのが多分難しいと思うので。プロ野球選手でも10年やるのがすごく難しいって言われますけど、どういう選手になりたいかと言われたら、長く野球のできる選手に、というのがあります。

――続いて、ご自身の武器は何だと考えていますか

どんな変化球でもストライクが取れることですかね。別にどれが苦手とかはなくて…。強いて言うならカットボールでカウントが取れるというか。ピッチャーは変化球の方がストライク取りにくいと言われているんですけど、自分的には変化球の方がストライク取りやすいというのがあって。真っすぐに自信がないからなんですけど、それが逆に他の人にはないかなっていうのはあります。

――フォークが決め球のように見えます

ストライクが入るという意味では、カットボールが一番ですね。まあでもどの球種でもっていうのはありますね。万遍なく投げられるというのが自分の強みかなと思います。

――今シーズンのチームとしての目標は

チームとしての目標は、早慶戦に勝つことですかね。日本一になる前にまずリーグ戦で勝って、早慶戦で絶対勝つことが一番大事だと思うので。小宮山監督にも「(昨年は)春秋早稲田が早慶戦勝って、(今年の)慶応はすごい意気込んでくるぞ」というのは言われているので、迎え撃つではないですけど、もう一回倒すという意味でも、早慶戦には勝ちたい。リーグ戦で勝ち点を1つ落として優勝したとしても後味悪いので、最後負けると。絶対に早慶戦勝つと。そこに照準を合わせて、リーグ戦も勝ちながら進んでいくということで。チームとしてはそこが一番目標だと思います。

――個人の目標は

長いイニングを投げるということですかね。どこで先発させてもらえるか分からないですけど、先発するときはできるだけ長く投げたいというのはあります。

――最後に意気込みをお願いします

先発として役割が全うできるように頑張ります!

――ありがとうございました!

(取材・編集 吉田昭太)


規定投球回数への到達、期待しています!

◆西垣雅矢(にしがき・まさや)
1999(平11)年6月21日生まれ。183センチ、82キロ。兵庫・報徳学園高出身。スポーツ科学部2年。投手。右投左打。色々な質問に、一つ一つ真摯(しんし)に考えながら答えてくださった西垣選手。その回答の端々から、先発へのこだわりが感じられました。結果を残し続けて、再び先発として早慶戦のマウンドに上がる日が楽しみです!