9年ぶりに六大学の頂点に立った。六大学の選手が集う今大会。昨年度敗戦を喫した法大に快勝し、続けて早大との優勝決定戦も制した。六大学戦で早大に勝っての優勝は19年ぶり。見事に王者の壁を崩した。◆3・2 東京六大学リーグ戦(法大市ヶ谷総合体育…

 9年ぶりに六大学の頂点に立った。六大学の選手が集う今大会。昨年度敗戦を喫した法大に快勝し、続けて早大との優勝決定戦も制した。六大学戦で早大に勝っての優勝は19年ぶり。見事に王者の壁を崩した。

◆3・2 東京六大学リーグ戦(法大市ヶ谷総合体育館)

▼明大――1位

 チーム一丸となって果たした下克上だ。昨年度3位に沈んだ明大だが、金子泰士(営2=館林)など2年生の活躍もあり、法大を撃破。全勝で早大戦を迎えた。スコア1―4で登場したのは斎藤一樹(文2=鹿屋中央)。「自分のペースでうまく相手を崩せていた」(斎藤)と開始15秒、アンクルホールドで先制し、その後も着実に加点。6―4で折り返した第2ピリオドは、相手の猛攻により油断できない状況が続いた。それでも、残り6秒でもう2点を追加。土壇場で試合を決め、チームを勢い付けた。二ノ宮寛斗(営3=岐南工)も続き、失点を0に抑え望みをつなぐ。最終戦の土橋雄太(法2=秋田商)も「リスクが少ない試合を目指した」(土橋)。チームの勝利の絶対条件である失点0で勝ち切り、チームのスコア4―4、得失点差で軍配は明大に上がった。王者・早大を打ち破った理由の一つとして「早大には勝てないかなと思って試合に臨む、早大に勝つぞって思って試合に臨むというその差」と安西信昌コーチ。選手それぞれの気持ちの変化がチームの優勝を導いた。

 六大学戦の優勝で好スタートを切った新チーム。二ノ宮寛斗主将(営3=岐南工)も「量も質も全体としてのモチベーションも一番良くやれている」とチームづくりに確かな手応えを感じた。5月に待つ東日本学生リーグ戦に向け、チームの視界は良好。4年連続8位からの脱却へ。勢いそのままにさらなる高みを目指す。

[福田夏希]

試合後のコメント

小柳監督

――優勝となりました。お気持ちを。

 「結果では勝ったけど内容的には勝ってないのでこんなところで気を緩ませてはいけないと思います。ただ、リーグ戦に向けては良い弾みになったかなと思います」

――今年度の雰囲気はいかがですか。

 「去年よりは充実していると思います。これからもっと引き締めていけるのでそこは楽しみです」

安西コーチ

――六大学戦で早大に勝っての優勝は19年ぶりです。

 「練習もしっかりやれていますし、キャプテンがチームをしっかり引っ張っていってくれているという雰囲気があって、試合前からもキャプテンが『今年は早稲田いけますよ』と言っていたので、学生自身の気持ちの変化があるのかなという感じです」

二ノ宮

――今回の優勝はリーグに向けて自信になりましたか。

 「そうですね。僕が引っ張っていくというのも大事ですが、強くなる、実力が伸びるというのは成功体験が必要だと思っていて、どれだけ努力していても勝ち切れないと次のステップにつながらないと思います。それで今回優勝することができたので、全体としてのモチベーションも上がったと思います」

斎藤

――優秀選手賞を獲得しました。

 「こういう賞をもらうのはレスリングを10年以上やっていて初めてなのでうれしいです。法大でも早大でも自分の階級がキーポイントになっていて、そこでしっかり勝てたことが大きいと思います」

土橋

――新3年生としてリーグ戦はどのように挑みますか。 

 「僕は重量級で団体戦の後半を担う身として、二ノ宮先輩と一緒にチームの士気を上げながら、軽量級から任される、頼られるように実力を付けていきたいです」