2018年7月20日、日本初となるeスポーツのサッカージャンル専門メディアとして、VAMOLA eFootball News(以下、VAMOLA)が創刊した。編集長に就任したのは、元よしもと芸人の「ちゃまくん」(以下、ちゃま氏)。eフットボ…

2018年7月20日、日本初となるeスポーツのサッカージャンル専門メディアとして、VAMOLA eFootball News(以下、VAMOLA)が創刊した。編集長に就任したのは、元よしもと芸人の「ちゃまくん」(以下、ちゃま氏)。eフットボール黎明期より「サッカーゲームを仕事にしてみないか」と、ゲーム動画の配信を通じて視聴者にメッセージを投げかけ続けてきた。現在、彼のYoutubeチャンネルの登録者数は、61,968 人(7月18日現在)とサッカーゲームの実況では日本一の数を誇る。インタビュー連載の第2回では、サッカーゲームを仕事にすることへの想いと実践を語った。

※1 Pro Evolution Soccer(日本語タイトル:ウイニングイレブン)のサッカーゲーム実況としては、世界一の視聴者数でもある(当編集部調べ)。


(写真:ちゃま氏 日本で初めてのウイニングイレブンのプロプレイヤー)

就職して腕が落ちるプレイヤーを見ることが寂しい

「君もサカゲーでご飯を食べてみないか」と言い始めたのは、就職して腕の落ちてしまった元プレイヤーをたくさん見てきたからと言うのがあります。サッカーゲームが上手いプレイヤー自体は多くいるのですが、生活をしていくためにはやっぱりお金が必要で、みな就職する必要がありますよね。

ただ、就職しちゃうと、「プレイのための時間」がなかなか取れなくて、結果的に実力が落ちてしまったり、それで面白さが半減してスッパリ辞めちゃう人なんかもいて、その状況を(Youtube配信を始めて)もう5年も見てくると、本当に寂しく、またもったいないなと感じていました。

サッカーゲームに集中できる環境を作ってあげたい

現在、サッカーゲームのトップクラスで活躍する人に、振れる「仕事」は紹介したりしています。僕が一番、ゲーム配信では(インターネット上で)目立っているところもあるので、例えばイベントやテレビの制作会社の人が「番組でサッカーゲームの企画がしたい」、「芸能人とトッププロのこうした対決が撮りたい」といった相談の声がかかることが多いんです。

その時に、ちゃんと出演料がもらえるように話をした上で、選手を紹介しています。ただ、今はまだ地上波はなくて、フジテレビNEXTなどのCSやネットTVが中心です。担当者と話をしていると、今後は地上波を含めてもっと露出していく可能性を感じています。

また、まだ多くはいませんが、YoutubeにサッカーゲームのLIVE配信チャンネルを立ち上げて登録者を増やすことで、広告収入を(月に)10万でも15万でも、そのベースを作ることを目指すサポートをしています。僕のLIVE配信のゲストに出てもらったりして相互リンクのような形を作ってあげたり、またそのプレイヤーの「凄さ」を視聴者に伝える努力をしています。

例えば、アイトラッカーという「プレイヤーがゲーム画面のどこを見ているのかが分かる」機械があるのですが、それを世界大会に出ている選手につけてもらって、自分との差を見せることで、「世界レベルの選手の視点はこれくらい凄い!」と視聴者に伝えたりしています。

とにかく、「サッカーゲームに集中できる環境を作っていきませんか」と言う話を周囲のプレイヤーたちにしていて、日々思いついたことを一緒に実践しています。


(写真撮影協力:Time Out Cafe 恵比寿)

ゲーム性のウイイレ、ライセンスのFIFA

FIFAとウイイレ、自分の中では半々のボリュームで(発信していきたいと)考えています。ただ、僕のYoutubeチャンネルでは、元々ずっとウイイレをやってきたので、PVはウイイレの方が断然多くて、10倍は違うというのが実情です。

FIFAが凄いのは、もちろんリーグやチーム、選手とのライセンスですが、eスポーツとしてのリアルイベントや、僕みたいなストリーマーのネット配信など、ゲームの「二次利用」を含めて、クラブにライセンス料を払っていると聞いていて、全体の奥まで丁寧に設計されているところが凄いと思います。

確かに、大会の規模や市場はFIFAの方が上なので(※2)、「一攫千金」や「ドリーム」の部分でもFIFAは魅力的です。ただ、ゲーム性はウイイレだと思うし、何よりKONAMI社は日本の会社です。これからプレイヤーになりたいと考えている若い人に向けては、まずは体験版を実際にやってみて、自分がどっちを面白いと感じるのかが大事なことだと伝えたいです。

昔、メッシが言っていたのですが、凄いシュートを決めた試合後のインタビューで「なぜ、あんなシュートができるのですか?」と質問されて、「(TV)ゲームで決めたことがある」と答えたんですね。それがとても印象的で、こんなエピソードもサッカーゲームを始めるキッカケになると思うし、とにかくキッカケはいっぱいあってよくて、サッカーゲームをする若い人がもっと増えていって欲しいですね。

※2 FIFAが主催する初めてのeW杯が8月2日からロンドンで行われた。日本からはアジア地域から唯一「ナスリ選手」が出場。大会優勝賞金は25万USドル(約2,800万円)。

【選手INTERVIEW#01】ちゃまくん「君もサカゲーでご飯を食べてみないか」(第3回最終回) https://efootball.jp/2018/08/13/interview_chama_3/ に続く。次回は業界の課題とeフットボールの未来についてお話します。

(インタビュー・文:VAMOLA eFootball News編集部)