大会会場で広がる笑顔の輪

今年も千葉・柏の地で歴史あるテニスの祭典が行われた。

2018年12月7日から9日の3日間、「吉田記念テニス研修センター(TTC)」を舞台に開催された「第28回 三井不動産全日本選抜車いすテニスマスターズ※」。大会初日のTTCには、とある選手も姿を見せていた。

パラリンピックメダリスト、車いすテニスプレイヤー・国枝慎吾選手だ。

国枝選手と田中幼稚園の園児達 TTCコート内にて

国枝選手は柏市内で開催されたレセプションパーティにも出席し、28 回目を迎えた大会をコートの外からサポート。

「プライベートでコートを訪れていた」という国枝選手だが、試合観戦に訪れた地元の小学生や幼稚園児にもサプライズな交流タイムを設け、ファンサービスに時間を費やすなど、車いすテニス普及のために時間を費やしたようだ。

「第28回三井不動産全日本選抜車いすテニスマスターズ」は、男子・女子(下肢に障がいがあり、車いすを利用する選手)とクァード(下肢だけでなく、麻痺など上肢にも障がいのある比較的障がいの重い選手)に分かれ、国内のみならず海外の各大会で好成績を収めた日本ランキング上位の選手が一堂に会し、年間日本チャンピオンを決定する大会だ。

世界の国枝慎吾選手の登場もあいまって、TTCコートには大会初日から笑顔の輪が広がっていく。

田中幼稚園の皆さんと国枝選手 TTCコートにて撮影

国枝選手のみならず、柏の地で毎年車いすテニスの大会が開催されることに感謝し、大会を心待ちにしている人達が多く存在する。長年、大会に参加する選手達のラケットにガットを張ってきたストリンガーの彌城晴彦さんは、こう話す。

「齋田悟司選手が、この大会を引っ張り、かつては国枝選手もここに来て、齋田選手に勝つために練習をしてきました。なぜなら、ここで勝てなければ世界に出られないことを分かっていたからです」

永きに渡り大会を支えるストリンガー 彌城晴彦さん

齋田選手自身も大会への想いを込める。

「選手も一生懸命に頑張ってきて、支える皆さんも大会を良いものにしようと工夫されています。大会の成長と共に選手も成長している大会ですね。1年で最後の大会なので、勝って締めくくりたいです」

試合前の齋田悟司選手 ストリンガーから受け取ったラケットを自ら確認しているようだ

26回目の出場となる“レジェンド”齋田悟司選手や4連覇を狙う眞田卓選手らが参加した「第28回 三井不動産全日本選抜車いすテニスマスターズ」は、2018年12月7日から3日間に渡って「吉田記念テニス研修センター(TTC)」で激戦が繰り広げられた。

ボールをヒットすると、すぐに車いす操作をし、次のポイントに移動してショットを打つ。一瞬も目が離せない熱のこもったラリーは、圧巻だ。

試合中の齋田選手

過去27回の大会では、参加選手のレベルだけではなく、取り組むべき課題や要望に応えながら、大会自体のグレードも上がってきたという。大会運営を担う大高優トーナメントディレクターは、世界を見据え希望を語る。

 

「上を見ればまだまだですが、今までの成果を含め東京五輪に向けて多くの選手が世界を舞台に活躍して欲しいです」

試合中の眞田卓選手

国内における車いすテニス・発祥の地とも言える「吉田記念テニス研修センター」は、およそ30年ほど前から競技普及に取り組んでいる。年間グランドスラム5回、パラリンピックでも数々のメダルを獲得してきた国枝慎吾選手も、この地で技術を磨き、世界に通ずる一流プレイヤーに成長していったのだ。

歴史ある大会だが、観戦はフリーになっている。コートに足を運べば、誰もが車いすテニスの迫力を間近で体感できる、沢山の工夫が施されていた。東京2020パラリンピックを前に、時を超え脈々と受け継がれる“聖地での進化”が日本人選手達をさらなる高みに導いていく。

試合を観戦する田中幼稚園の園児達

今大会を制したのは男子が眞田卓選手、女子は大谷桃子選手、そしてクァードでは菅野浩二選手がマスターズのタイトルを勝ち取った。

表彰式の様子

三井不動産は、すべての人が健やかに安心して暮らせる「スマートシティ」を目指すと共に、2020年に向けて「BE THE CHANGE」をキーワードにスポーツと街の融合をこれからも取り組んで行く。インターネットメディア「スポーツブル」は、スポーツシーンにおける様々な活動を記録していきたいと願っている。

取材・文/ スポーツブル編集部・石田達也(スポーツライター)

写真協力 / スタジオアウパ 

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