ドラフト会議で選ばれた1球団3名の“プロ”が熱戦を繰り広げる プロ野球はソフトバンクが連覇を達成しシーズンを終えた。だがその裏で“もう一つのペナントリーグ”が11月10日に開幕した。「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ」がベルサール渋…

ドラフト会議で選ばれた1球団3名の“プロ”が熱戦を繰り広げる

 プロ野球はソフトバンクが連覇を達成しシーズンを終えた。だがその裏で“もう一つのペナントリーグ”が11月10日に開幕した。「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ」がベルサール渋谷ガーデンにて開催された。

 9月の下旬には、12球団による「eドラフト会議」が開催。各球団が3名のeスポーツ選手を指名し、ともにシーズンを戦う3名のチームメイトとなる。ドラフト方式も、1巡目、2巡目は一斉に指名を行う「入札抽選」方式のため、重複した場合は抽選になる。3巡目は「2017年のプロ野球ペナントレースの逆順」に指名を行うなどプロ野球の結果も影響するため、まさにNPBと“一心同体”といえる。

 試合は、「メインスタジアム」「ライトスタジアム」「レフトスタジアム」と、“3画面”をホール会場に据え、行われた。各球団は1つの球団と3試合が組まれ、3人のプレイヤーが1試合ずつ担当する。必ず最も大きい会場であるメインスタジアムにて、1試合をプレーする。

 リーグ日程も、セ・リーグとパ・リーグで争われた後、クライマックスシリーズの勝者が「e日本シリーズ」進出する流れだ。e日本シリーズ優勝チームには、賞金531万円の報酬が用意されている。

谷繁氏、真中氏、黒木氏などレジェンドOBが解説に座る

 記念すべきメインスタジアムのパワプロ・プロリーグ開幕戦は、伝統の一戦の巨人対阪神が組まれ、開幕戦は、巨人を操作する「てぃーの選手」が完封勝利を収めたが、総合成績を1勝1敗1分けと、互角の戦いとなった。試合を彩る実況アナウンサーも各試合配置される。解説陣も、真中満、谷繁元信、多村仁志、黒木知宏、ギャオス内藤とNPBプロ野球で一線級に活躍した選手ばかりであり、観戦に来たファンも嬉しいポイントだ。

 当日会場は、入場無料ということもあり、多くの観客が訪れた。好きなプロ野球12球団のオフィシャルグッズ(ユニフォーム、帽子、マフラータオル、Tシャツ)を着用すると、特別観戦エリアが各球団のユニフォームに溢れていた。

 各球団のマスコットキャラクターも登場し、即席写真撮影会が会場外では起こっていた。また、すべての試合を1会場で行うため、各スタジアムを行き来することはもちろん、どこかのスタジアムのビックプレーが起こった時には、歓声が上がり、興味が掻き立てられる。ネット配信も行われており、会場にいながらも携帯を見つめる観客も見受けられた。

 特筆すべき点は、観客の年齢層が20代後半から30代、40代が多いことだ。男性のみならず、女性も多く訪れ、会場の大スクリーンを見ながら一喜一憂していた。10代の若い世代は少ない。

 アメリカでは、大手スポーツメディア社の多くが専用ページを作り、お隣の韓国は、eSportsで無類の強さを誇る。日本生まれのパワプロから始まったNPB主催のeBASEBALLはどのような展望を見せていくか注目したい。(大森雄貴 / Yuki Omori)