東京六大学秋季フレッシュトーナメント 対明大戦 2018年10月31日(水) 神宮球場 リーグ戦優勝から2日。未だその余韻が冷め切らない中、法大の未来を担う選手たちが出場するフレッシュトーナメントが開幕した。初戦の先発を任されたのはリーグ…

東京六大学秋季フレッシュトーナメント 対明大戦
2018年10月31日(水)
神宮球場

リーグ戦優勝から2日。未だその余韻が冷め切らない中、法大の未来を担う選手たちが出場するフレッシュトーナメントが開幕した。初戦の先発を任されたのはリーグ戦でもベンチ入りを果たした鈴木昭汰(キャ2)。5つの四球を出し、制球に苦しんだが7回をノーヒットノーランに抑える圧巻の投球を披露した。打線も佐藤勇基(法2)の右越え適時二塁打、中村迅(営2)の右越え2ランなどで7得点を奪い鈴木を援護。連盟規定により7回コールドとなり、初戦を勝利で飾った。

戦評

今季、リーグ戦を優勝した良い流れに乗り優勝を狙う法大は、Aブロック1回戦、明大と対戦した。

法大の先発は今季リーグ戦でもベンチに入った左腕、鈴木昭汰(キャ2)。1回表、四球で走者を出すものの続く打者を併殺に打ち取り、順調な立ち上がりを見せる。試合が動いたのは4回裏。4回まで無安打に抑え、好投している先発・鈴木に何としても先制点をあげたい法大は、先頭の永廣知紀(営2)が四球で塁に出ると、続く3番小池智也(営1)の犠打を相手先発・米原大地が野選。なおも四球で1死満塁とすると、6番佐藤勇基(法2)の放った打球は右翼手の頭上を越える走者一掃の適時二塁打となり3点を先制。待望の先制点を挙げることに成功する。

先制の適時打を放った佐藤勇は塁上で大きくガッツポーズ

その後、5回裏に片瀬優冶(人2)が中前安打で出塁すると、すかさず初球から盗塁を決める。さらに、1死三塁で米原が暴投し、ラッキーな形で1点を追加する。一方、守りでは鈴木が圧巻の投球を披露。力のある直球と巧みな変化球で明大打線に付け入る隙を与えない。鈴木の好投に加え、6回表には攻守も光った。無死一塁の場面で抜ければ初安打を許してしまうという打球を遊撃手・佐藤勇が好捕すると、バックハンドで二塁へトス。後続も打ち取り、法大ペースで試合は終盤へと進んだ。

7回裏、先頭の6番佐藤勇が中前安打で出塁すると、7番中村迅(営2)が右越え2ランを放ち6点目。

大きな追加点となる右越え2ランを放った中村迅

なおも2死三塁とし、2番永廣。「相手投手が真っ直ぐしか投げていなかったのでそれを狙った」と試合後語ったように、初球の甘く入った直球を右翼線に運ぶ適時打を放ち、連盟規定により7回コールドでゲームセット。鈴木昭は7回無安打5四球と参考記録ながらノーヒットノーランを達成した。

守りから流れを作り、勝負どころで打線が機能した今日の一戦。来季リーグ戦連覇へ向けて、チームを牽引するであろうニューヒーローの誕生に目が離せない。
(加瀬航大)

クローズアップ:鈴木 昭汰

秋季リーグ戦で優勝を果たした法大。しかし、自身の結果に満足できない男がいた。

フレッシュトーナメント初戦の先発を任されたのは鈴木昭汰(キャ2)。リーグ戦ではベンチ入りはするものの登板はなし。その悔しさを晴らす気迫の投球が晩秋の神宮球場で披露された。 「久しぶりの先発で登板間隔が空いていた」と鈴木は投球に不安があったようだ。そのせいか序盤はボール先行の投球となる。しかし、決して安打を許さない。打線の援護を受けさらにギアを上げた鈴木は制球力が回復。「まっすぐが走っていた」と好調のストレートと変化球を織り交ぜた投球で明大打線を翻弄。味方の守備に助けながらも依然として安打を許さなかった。

試合は打線の爆発により7回コールドで勝利。鈴木はコールドにより参考記録ではあるがノーヒットノーランの偉業を達成していた。 「神宮大会へのアピールの場です」と語る通り、この大会は鈴木にとっては通過点でしかない。鈴木は言葉通り神宮大会登板に望みをつなぐ結果を残した。しかし、『制球の乱れ』という課題点もある。今後そこを克服できれば鈴木の投球はもはや想像できないほど良質なものとなるのは間違いないだろう。

同期の高田孝一(法2)、石川達也(キャ2)、そして後輩の三浦銀二(キャ1)に負けまいと闘志を燃やす鈴木。法大投手陣の一角を担えるような投手に成長するか、注目が集まる。
(須藤大樹)

選手インタビュー

鈴木 昭汰 投手
-今日の試合を振り返って

久しぶりの先発で結構登板間隔は空いてたのですが、思ったより良いピッチングができました。

-フレッシュトーナメント初戦の先発でしたが
リーグ戦で優勝して神宮大会がある中で、その前の新人戦だったので、僕は神宮大会へのアピールということで投げました。

-序盤は四球が多かった印象です
まっすぐが走ってた分荒れてたので、そこは課題かなと思います。四球が多かった中でも抑えられていたので良かったと思います。

-今日はノーヒットノーランを記録しました
丁寧に丁寧に投げていた中で、それができたので良かったと思います。

-今日のコンディションは
まっすぐも走ってて、変化球も良かったので良いプレーができたと思います。

-今日の課題点は
制球力です。それがもっと良くなればもっと楽になると思います。

-次の登板に向けて
しっかり今日のようなピッチングができるように頑張ります。

渡邉 雄太 捕手
-今日の試合を振り返って

ピッチャーの鈴木がしっかりゲームを作ってくれて、しっかりゼロで抑えてくれたことで、打撃に流れが向いたと思います。

-先発の鈴木選手は7回をノーヒットノーランで抑えました
(ノーヒットノーランの)意識はしていなかったのですが、しっかりランナーを出しても次のバッターを打ち取るということを意識した結果だと思います。

-四球は5つ出しました
球の勢いは良かったので、調子は悪くなかったと思います。でもやはり、しっかりフォアボールを出さずに投げ切ることを今後は意識してほしいですね。

-自身はチーム初安打を放ちました
両チーム共にノーヒットだったので、絶対に自分が打って、(鈴木)昭汰を楽にしてあげようと思いました。

-チームの雰囲気は
とても良いので、次の慶應戦もしっかり戦っていきたいと思います。

-次戦に向けて意気込みをお願いします
春は慶應に引き分けているので、しっかり勝ちたいということと、リーグ戦でも勝ち点を取られているので、このフレッシュトーナメントでやり返せるようにやっていきたいと思います。

佐藤 勇基 内野手
-今日の試合を振り返って

投打が噛み合って、良い試合だったと思います。

-4回に先制の適時打を放ちました
満塁のチャンスだったので、自分からいこうと積極的にいった結果だと思うので良かったです。

-2安打とバッティングが好調でしたが要因は
監督にバッティングを教わってからずっと良い感じなので、それを意識しているからだと思います。

-具体的には
右の股関節にためるのが下手だったので、最初から右の股関節にためた形で構えるというのを意識しています。

-好守備が多く見られました
これが普通だと思ってもらえるように、毎回今日みたいなプレーを頑張っていきたいです。

-鈴木昭汰選手がノーヒットで完封勝利をおさめました
昭汰は高校の時から良いピッチャーでした。今日もリズム良く投げてくれたので、僕らも良いプレーができましたし、昭汰もノーヒットで抑えることができたと思います。ナイスピッチャーだと思います。

-明治神宮大会でもベンチ入りが予想されます
代打での出場があると思うので、そこでしっかり結果を出せるように準備していきます。

-明日の試合に向けて
これで1、2位決定戦に行けることは決まったのですが、全勝できるように頑張ります。

永廣 知紀 内野手
-今日の試合を振り返って

ピッチャーが頑張ってくれて、野手陣も守備が良かったので、それが攻撃につながったかなと思います。

-試合前に取り組んだこと
技術的には特にこれといったことは無いですが、自分達の代のチームカラーというのは『元気』なので、練習から声出しとかはしていましたね。

-佐藤勇選手との連携が光ったが話し合いなどは
佐藤(勇)が上手いので自分はほぼ任しているというか。あいつが大体何でもやってくれるので、自分の気持ちが楽になるというのもあるので、そういう部分ではあいつに頼っているというのはあると思います。

-先制のホームを踏みました
ずっと0で続いていて、ピッチャーの鈴木もノーヒットで頑張ってくれていたので、自分が2打席目の先頭ということで何としても塁に出ようとしました。フォアボールで(塁に)出れて、その流れのまま相手ピッチャーのミスもあって最後は佐藤(勇)がタイミング良くヒットを打ってくれて良かったと思います。

-最終打席にはサヨナラコールドとなる右翼線安打を放ちました
あのピッチャーが出てきてから真っ直ぐばっかりだったので、初球から狙っていこうと思って、積極的に行った結果がヒットにつながったと思います。

-明日の試合に向けて
明日も勝って、全勝で優勝ができるように、チーム全員が一丸となってやっていきたいと思います。

中村 迅 内野手
-今日の試合を振り返って

まずはチームが勝てて良かったです。

-貴重な追加点となる本塁打を放ちました
スライダーを打ちました。狙ってはいなくて、感触としては外野の頭は越えたかなという感じでしたが、(スタンドに)入って良かったです。

-その前の2打席では凡退していましたが、修正したところは
タイミングがあまり合っていなかったので、3打席目は少しコンパクトに行こうと思って、打席に入った結果があのような結果になったので良かったです。

-自身のアピールポイントは
打撃ですね。もっと練習して、もっと打てるようになりたいです。

-次戦に向けて
まずは勝つことだけを考えて、チーム一丸となって頑張っていきたいです。

フォトギャラリー

7回をノーヒットノーランに抑え圧巻の投球を見せた鈴木
チーム初安打を放った渡邉
先制の適時打を適時打を含む2安打を放った佐藤勇
片瀬は1安打1盗塁と下位打線から得点の流れを演出
羽根は4番に座るも2つの三振を喫し、明日以降の活躍に期待がかかる
コールドを決めるサヨナラ打を放った永廣は守備でも軽快な動きを見せた
本塁打を放った中村迅を迎える選手たち
終始良い雰囲気を維持し、試合を進めた