東京六大学野球秋季リーグ戦早慶3回戦 2018年10月29日(月) 神宮球場  2018年東京六大学野球秋季リーグ戦の優勝争いは最終週の早慶戦までもつれ込んだ。早大が早慶1回戦で敗戦したため、法大が優勝するには早大の3戦目での勝利が必須だ…

東京六大学野球秋季リーグ戦早慶3回戦
2018年10月29日(月)
神宮球場

 2018年東京六大学野球秋季リーグ戦の優勝争いは最終週の早慶戦までもつれ込んだ。早大が早慶1回戦で敗戦したため、法大が優勝するには早大の3戦目での勝利が必須だった中で、早大が最後に意地を見せ2点ビハインドをひっくり返し勝利。この時点で法大の12季ぶり45回目の優勝が決まる。ロッカールームで待機していた選手たちは、抱き合い喜んだ。

早慶戦短評

 優勝のためには早大の勝ち点奪取が必須条件だった法大。1勝1敗で迎えた3回戦は早大の劇的な逆転勝利となった。

 1回戦で髙橋佑樹を相手に思うような打撃ができなかった早大打線だったが、この試合では序盤から安打を重ねた。2点を追う8回に代打・福岡高輝の犠飛で1点を返すと、9回に髙橋佑が降板し菊地恭志郎が登板。無死一、三塁から4番・加藤雅樹の中犠飛で同点に追いつく。なおも2死二塁の場面で5番・岸本朋也の中前安打で逆転に成功。

 運命の9回裏。早大の5番手投手、今西拓弥が見逃し三振、右飛でテンポよくツーアウトを取る。あとがなくなった慶大は打席に主将・河合大樹を送り込むが三ゴロに倒れ、その瞬間法大の秋季リーグ戦優勝が決定した。
(渡辺詩織)

青木久典監督インタビュー

–12季ぶりの優勝となりましたが、今の率直な気持ちをお聞かせください
ホッとしています。45回目の優勝ができたということも、本当にうれしいですし、本当に遅くなりましたが4年目に(優勝ができて)。本当にまずはホットしているというのが一言です。

–以前仰っていた「プレーオフに勝って優勝」とはなりませんでしたが、最後に早大が勝ち点を取っての優勝となりました
今の法政大学に関しては、どういう形でも優勝できたというのが選手全員のうれしさだったりとか自信につながると思うので、本当に良かったなと。そういう意味では早稲田さんには、しびれる試合の中、よく勝っていただいたなと思います。いつもは敵という相手ですけど、本当に今日は味方の気分でした。よく頑張ってくれたと思います。

–9回まで早大が慶大を追いかける形で試合が進んでいきました
ドキドキしましたよね。これがお客さんの感覚なのかなと思いましたけど、見てるよりやってる方が楽だなと思いました(笑)。ただ、試合の部分で見ると、早稲田さんの戦術というんでしょうか。西垣(雅矢)くんを先発にもっていって、そこから小島(和哉)くんにつなげていって、最後今西(拓弥)くんで締めるという必勝パターンではないですけど、(投手)リレーが上手くいっていたなと思いますし、やはり中盤以降8回にも1点を取って8回裏も(抑えて)3-2で終わっていましたから、流れは早稲田の方に傾きつつあるなというのは、監督という立場では思っておりました。なので、(9回に)何かあるんじゃないかなとは思っていました。

–9回に逆転した時はどんな気持ちでしたか
そこはもう素直にうれしかったです。でも、(9回)裏があったので、(逆転したのは)表だったので、素直に喜びたいんだけどまだまだ安心はできないな、みたいなそういう複雑な気持ちではありました。ただ、ここは最後の最後までロッカーで選手たちと一緒にその(優勝の)瞬間を感じたいと思って彼らと一緒にいたので、優勝した時はすごく感動しました。下の控え室にいたのではなく、ロッカールームでみんなとそれを味わえたというのが、すごく良かったなと思いますし、それを味わいたかったと思っていたので。(9回の逆転から)ゲームセットまでそういう思いでした。

–選手たちはどんちゃん騒ぎだったそうですね
そうなんです。すごく(楽しみながら見て)ドキドキしてたから、「こいつらすごいな」と思って(笑)。僕は、そういう風には(試合は)見られなかったですね。

–1年生から見てきた4年生の代で優勝となりました
これは本当に、すごくうれしいです。やはり1年生の時から経験をさせて、練習も課して、厳しく指導してきたので。4年後には絶対花を開かせてやるぞ、という思いでやっていて。春はどうなるんだろうなという不安も色々あったんですけど、一致団結して一枚岩になって、もう一度見返してやろうという気持ちでやってくれたので、本当に一言では言えないくらいの思いがありますね。

–リーグ戦は優勝で終わりましたが、11月には神宮大会で函館大と環太平洋大の勝者と対戦することになります
まだ相手の情報はよく分かっていないですが、やはり六大学の代表ですから、それに恥じないように絶対に優勝しなくてはいけないという思いで一杯です。なので、まずはどちらが勝ってこられるか分かりませんが、そのチーム対して全力でコンディションを高めて臨みたいなと思います。

–神宮大会を勝ち抜いていくために鍵となることは
一発勝負なので、まずは先発と中継ぎと抑えをしっかり充実させることかなと思います。打線はそこそこ二順目以降に一回りすればやってくれるんじゃないかなと思います。それともうひとつはタイブレークがあるのですが、やったことがないと思うので、戦い方は準備しておかなくてはいけないなと思います。

–神宮大会に向けて
リーグ戦でホッとすることなく、出場するからにはやはり優勝して日本一もとりたいと思っているので、「取りにいくぞ」という思いでいます。

–12季ぶりの優勝を遂げて、改めてファンの皆様へ
法政大学のファンの皆さま、応援団の皆さまだったり学校の関係者、OBOGの方々、そしてオール法政の皆さまに本当におめでとうございますと言いたいと思います。本当に良いときも悪い時も球場の方に足を運んでいただいて、我々にご声援を送ってくださったおかげでこのような日を迎えることができましたので、本当に感謝しております。また、今後ともよろしくお願いします。

天皇杯を手に撮影に応じる向山(左)と青木監督

優勝コメント(※学年順掲載)

向山 基生 主将

–優勝した今の気持ちをお願いします
(最終的に)他力本願ですごく苦しかったのですが、優勝できて本当にうれしいです。
–どのように今日の試合を見ていたか
試合の頭からスタンドで見ていて、最後は閉会式の準備もあったので、ロッカールームで見ていました。
–早大が勝利し、優勝が決まった瞬間の気持ちは
(早大が)リードされていたときはすごく不安な気持ちになっていたのですが、最終的に勝ってくれて本当にうれしかったです。みんなですごく盛り上がって、抱き合いましたね。
–優勝という結果を踏まえて、改めて今季の総括を
やはり粘り強い戦いができたので、それは後輩たちにもしっかりとつないでいってほしいところだと思います。
–早大の選手とは試合後に話されましたか
そうですね。本当に感謝していますし、早稲田の選手から「神宮大会がんばれよ」とエールをいただきました。
–最後に、『結束』を掲げ、最後まで戦い抜いた今季のチームを振り返って
本当に、リーグ戦1戦1戦を戦いながら、成長できたチームだと思います。まだ神宮大会もあるので、そこでも頑張りたいと思います。

川口 凌 副将

–優勝おめでとうございます。今のお気持ちは
めちゃくちゃうれしいです!
–どのような気持ちで早慶戦をご覧に
本当に『頼む!』という気持ちでずっと見ていて、最終回で逆転した時もロッカーでみんな叫んでいました。
–1週間の過ごし方は
めちゃくちゃ気持ちの持ち方とかは難しかったんですけど、プレーオフになるという前提で合わせていました。早稲田が(1回戦で)負けて2連勝しかないとなってからは、全力で祈っていました。
–監督を胴上げできました
1年生の時から厳しい練習もあったんですけど、僕たちのためを思ってこの胴上げの瞬間のためにやってくれたんだと思うと、感謝の気持ちしかないです。
–個人打率はリーグ3位でした
ものすごくうれしいんですけど、ベストナインが取れなかったので(笑)。神宮大会では首位打者取れるように頑張りたいと思います。
–神宮大会に向けて
六大学を代表して神宮大会に出るので、その代表の名に恥じないようなプレーと、最後に日本一になって神宮で胴上げしたいという気持ちでいっぱいです。

中村 浩人 副将

–優勝した今のお気持ちを
本当に最高にうれしい気持ちでいっぱいです。
–優勝をどんな状況で迎えましたか
控室(ロッカールーム)にいて全員で見ていたんですけど、最後のアウトを取った瞬間に全員でどんちゃん騒ぎになりました(笑)。
–胴上げした気持ちは
もうこのチームで胴上げするのは初めてだったので、うれしいという気持ちしかなかったですね。
–神宮大会に向けて、どんな試合をしていきたいか
リーグ戦で優勝できて今はほっとしているんですけど、また明日から神宮大会に向けてチーム全体で結束していかなければならないと思いますし、東京六大学の代表として日本一を取れるように頑張っていきたいと思います。
–ファンの皆さんへメッセージを
本当に今まで長く優勝できなかったんですけど、最後までファンの方々が応援してくださったので、4年秋という最後の最後になってしまったんですけど、優勝という恩返しが少しでもできたと思うので、またこれからも熱い応援をよろしくお願いいたします。

中山 翔太 副将

–優勝した今のお気持ちを
幸せです(笑)。
–試合はどういう風に見届けましたか
早稲田を一生懸命応援していました。
–優勝が決まった瞬間は
皆で抱き合っていました。
–2度目の胴上げのお気持ちは
もう最高にどっちもうれしかったです。
–青木監督の胴上げで感じたことは
ずっと今まで胴上げをさせてあげたかったので、ようやくできたという感じです。
–神宮大会が始まりますが、どんな試合をしていきたいか
絶対に日本一になりたいと思います。とりあえず勝負の懸かった場面で1本打てるようにしたいと思います。
–ファンに向けてメッセージを
次も絶対に日本一になりたいと思っているので、応援に来てください。

菅野 秀哉 投手責任者

–優勝して今の率直な気持ちを教えてください
本当にうれしいです!
–早大が負けていた中から9回に逆転をしましたが、その瞬間はどう見ていた
あの回は、みんなで早稲田のことを応援していて。早稲田も本当に執念深く打ってくれたので、みんなで喜んで。本当にうれしかったなと思います。
–今季は接戦も多く最後まで混戦となりましたが、改めて振り返って
厳しい試合も多かったんですけど、その中でチーム全員で成長できたなというのもあるので、本当にいいチームになったなと思います。
–そのチーム全員でつかんだ神宮大会に向けて
どういう場面で投げるかは分かりませんけど、しっかり自分の力を精一杯出せるように頑張ります。

大西 千洋 外野手責任者

–優勝した感想を率直にお願いします
うれしいです!
–どんな気持ちで早慶戦を見ていましたか
どうなるか分からなかったので、なるべくいつも通りの気持ちで見ていました。
–早稲田が逆転した時の雰囲気は
みんなで大盛り上がりでした。みんなで肩を組んで喜んでいました。
–閉会式も法政が1番先頭で入場しましたが
初めてで新鮮な気持ちでしたね。嬉しかったです。
–トロフィーを持った感想は
僕はNHK杯を頂いたのですが、閉会式中持っていたのですが重かったですね(笑)。色んな意味で重みを感じました。
–神宮大会に向けて
最後になるので、楽しんでみんなで頑張っていきたいです。

小林 満平 内野手

–優勝おめでとうございます、率直なお気持ちを
早稲田を応援することしかできなかったので、早稲田が勝ったときは、みんなで抱き合って喜びました。
–優勝の瞬間は
みんなと抱き合って、何年振りか分からないくらいに泣きました。
ー12季振りの優勝です
何もかもが初めてなので、まずは喜んで神宮大会でしっかり勝てるように頑張りたいです。
ー青木監督を胴上げすることができました
2年の春に思い切って自分をスタメンで起用してくださったのは監督なので、そこから結果が出せないシーズンもありましたけど、最後に優勝して監督を胴上げすることができてうれしいです。
ー苦しい時期を支えてくれた真木(将樹)助監督に対して
助監督は第1寮に住まれているのですが、僕は第1寮の寮長で、(野球のことで)どう改善したら良いのかとか寮のこととかもたくさん話し合ってきたので、真木さんの喜ぶ顔を見られて僕もうれしかったです。
ー神宮大会に向けて
法政にとって久々の優勝なので、たくさんの方が応援してくださると思うので、神宮大会で日本一になれるようにチームで頑張っていきたいと思います。

吉岡 郁哉 内野手

–優勝おめでとうございます。今のお気持ちは
うれしいの一言ですね。ずっと優勝を目標に練習してきたので、それがかなったというのが一番うれしいです。
-早慶戦はどんな気持ちで見ていましたか
本当に『頼むから勝ってくれ』という思いでモニターで見てました。
-この1週間の過ごし方は
(早大が)勝つことは祈ってるんですけど、負けると引退になってしまうので、そこは練習から悔いのないように楽しんでやっていきたいなという気持ちでやっていました。
-神宮大会に向けて
チーム一丸となって、リーグ戦のように全員野球で優勝目指して頑張りたいです。

宇草 孔基 外野手

–優勝した今のお気持ちは
優勝できて素直にうれしいです。
–12季ぶりの優勝ですが
今季は特にスタンドの皆さんであったり、4年生が一体となって、スタンドの応援が力に感じて、スタンドの声援にやっと応えられたなと思って、良かったです。
–青木監督の胴上げで感じたことは
やっと監督を胴上げできて本当にうれしかったです。
–4年生へメッセージをお願いします
試合に出てる人達もそうですけど、出てない人達も声をかけてくれたり、4年生の一体感がこのチームのとても良い原型を作ってくれたと思うので本当にありがとうございますと言いたいです。
–神宮大会に向けて
リーグ戦と違って、トーナメントで一発勝負になるので、その一発勝負に向けて集中力とかチーム力で一気にいくというのをこの短い期間ですけど積み上げていって、日本一取れるように、先を見るのではなくて一戦一戦しっかり戦えるように準備していきたいなと思います。
–ファンの方にメッセージをお願いします
今季は応援が本当に力になったので、感謝しかないです。これからも期待に応えられるように頑張ります。

相馬 優人 内野手

–今日、早大が勝利し優勝が決まりました
みんなで泣いたくらいうれしかったですね。
–今日の試合はどのような気持ちで見ていましたか
本当に何としてでも早稲田勝ってくれって思っていました。早稲田の福岡と(前日に)連絡を取ったときに、「法政のために頑張ってくるわ」と言われたので、(気持ち的に)すごいありがたかったですし、応援していました。
–チームとして優勝できた要因は
4年生の力だと思います。春が終わったときは、チーム状況も悪かったのですが、その中で4年生が本当に引っ張ってくれて。それでチームも良い雰囲気になっていったと思うので、4年生の力だったと思います。
–神宮大会に向けて
優勝するだけなので、頑張ります。

石川 達也 投手

–優勝おめでとうございます、率直な今の気持ちをお聞かせください
そうですね。入って以来優勝もなかったですし、優勝争いをしていても、3位3位5位という結果だったので、優勝できてやはりとても気持ちいです。
–負けていた場面もあった中で早大が逆転し優勝を決めました
早稲田さんに勝ってもらうしかない、と今週ずっと思っていたので、途中4点になったときには、「ちょっと(優勝は)無理かな」と思っていたんですけど、最後に早稲田さんが巻き返してくれたので、早稲田さんのおかげだと思います。
–神宮大会に向けて
僕が慶應の3戦目で1点を取られないで抑えていれば完全優勝という形だったと思いますし、そこが今季の反省点というか課題なので、そこを神宮大会とか大事な場面で登板があると思うので、抑えられるように、日本一になれるように頑張りたいと思います!

高田 孝一 投手

–優勝して今の率直な気持ちは
めちゃくちゃうれしいです!
–どういう気持ちで早慶戦を見ていた
なんとか勝ってくれという思いで、控室でもみんなで見ていました。
–逆転し、優勝が決まったときは
全員どんちゃん騒ぎでした。全員で立ち上がって「ワ--!!」みたいな感じで。
–神宮大会に向けて
六大学の代表として神宮大会でも優勝できるように頑張ります。

三浦 銀二 投手

–優勝決まった瞬間はどんな気持ちでしたか
ロッカールームで見ていたんですけど、12季ぶりの優勝ということで4年生も経験したことないことだったので、本当にみんな喜んでいて、その輪の中に入りました。とりあえずどんちゃん騒ぎでした。本当にうれしかったです。
–中盤は2点ビハインドの状況から早大が逆転し優勝が決まりました
正直想像していなかったです。早稲田も頑張ってはいたんですけど、やばいかなとは思っていました。ただ、(8回に)1点を返してから早稲田のベンチが沸いてきたので、これ(逆転が)あるかなと思って。みんなでロッカールームで一球に集中しながら見ていました。
–リーグ戦もフル稼働でしたが、神宮大会も登板機会があるかもしれません。神宮大会に向けて
本当にリーグ戦で投げた経験とか、レベルの高いリーグ戦を勝ち進んできたことを自信にして、他のリーグにもレベルの高いチームや選手がいると思うんですけど、しっかり自分のピッチングを貫いていけたら良いなと思います。

中山も笑顔で胴上げをされた
スタンドからの声援に応える選手たち
昨季からチームを率いてきた幹部
粘りのプレーを見せてくれた4年生
真木将樹助監督を中心に集まる投手陣
喜びを見せる3年生
先発投手2人と中村浩(左から高田、中村浩、三浦)
ベストナインの4選手(手前:向山、2列目左から相馬、小林、奥:中山)
笑顔の清水俊(左)、古山
下級生投手を支えた4年生投手陣(左から菅野、河野太、森田)
優勝旗を手に笑顔を見せる4年生(左から川口凌、中村浩、原田、菅野、小林)
笑顔でポーズを見せる斎藤卓(左)、主務の前村
学生コーチとしてずっとベンチ入りをしていた伊藤泰
笑顔を見せる学生コーチの伊原(左)とマネージャーの野内
元投手コーチだった真木助監督を中心に笑顔をみせる投手陣
就任4年目で優勝を成し遂げた青木監督は天皇杯を手に撮影に応じた
優勝の喜びを前面に見せる選手たち