10月30日(火)東京六大学秋季フレッシュトーナメント 明大戦 神宮初登板ながら堂々たる投球を見せた松本には今後も注目だ秋季リーグ戦が終わって息をつく間もなく、秋のフレッシュトーナメントが開幕した。春は1勝もできずに終わっただけに、初戦は何…

10月30日(火)東京六大学秋季フレッシュトーナメント 明大戦 


神宮初登板ながら堂々たる投球を見せた松本には今後も注目だ

秋季リーグ戦が終わって息をつく間もなく、秋のフレッシュトーナメントが開幕した。春は1勝もできずに終わっただけに、初戦は何としても勝ちたかった慶大は、福井章吾(環1・大阪桐蔭)、橋本典之(環1・出雲)の2本の本塁打などを放つも、守りでのミスが響き、8-5で黒星スタートとなった。

 
明大
慶大

明大バッテリー:○中山、西城、金光、大竹―植田、戸部

慶大バッテリー:●森田晃、井上怜、関谷、松本―植田響

慶大本塁打:福井1号ソロ(2回)、橋本典1号2ラン(9回)

明大本塁打:植田1号ソロ(3回)

◆慶大出場選手

  ポジション 選手名(学部学年・出身高校)
[9]橋本典之(環1・出雲)
[8]水久保佳幸(総2・慶應)
 H保科圭伸(環2・慶應)
 R8新美貫太(政1・慶應)
[D]藤元雄太(商2・慶應)
 HD山本賢太(商2・慶應)
[7]若林将平(環1・履正社)
[5]福井章吾(環1・大阪桐蔭)
[3]鶴岡嵩大(環2・桐蔭学園)
[2]植田響介(総2・高松商)
 R谷口勇紀(理2・鎌倉学園)
[4]矢澤慶大(商1・慶應)
 H松田颯来(政2・佐賀西)
[6]角谷隆之介(環2・湘南)
 H小川慶太(文1・浜松西)
p 森田晃介(商1・慶應)
  井上怜(環2・慶應)
  関谷航平(総2・川越東)
  松本遼太郎(商1・慶應志木)

昨日まで最高の盛り上がりを見せた早慶戦。それから一夜明けた神宮では、未来の慶大を担う若武者たちが、ひたむきに声を張り上げていた。

慶大の後攻で試合は始まった。先発のマウンドを託されたのは、秋季リーグ戦で初勝利を挙げた森田晃介(商1・慶應)。リーグ戦での登板の経験を生かし、格の違いを見せつけたかったが、初回にいきなり明治打線につかまる。安打と四球で、1死一、三塁のピンチを招くと、4番の公家に初球をセンター前にはじき返され、あっさりと先制点を献上。その後も6番松下にタイムリーを浴びるなど、この回打者一巡の猛攻で、初回に重い3点を失う苦しい展開となる。


本塁打を放った福井

嫌な流れを払拭したい慶大は、「プレーでチームを引っ張る」という福井が打撃でその存在感を発揮した。福井は2球目の甘い球を逃さずに振り切り、きれいな放物線を描いてライトスタンドへ飛び込むソロホームランを放つ。すると、続く6番の鶴岡嵩大(環2・桐蔭学園)、8番の矢澤慶大(商1・慶應)が安打で好機を演出。得点には至らなかったが、打撃では春からの成長を感じさせた。

森田晃も2回以降は持ち味の制球力を取り戻し、3回にソロを浴びるも、何とか立て直す。しかし、バックが森田晃の投球に応えられなかった。1点を返した後の5回、2つの失策でピンチを招くと、犠飛で1点を追加され、さらにサードの悪送球で余計な失点を与えてしまう。続く6回も四球と失策で、2点を追加されると、ベンチは松本遼太郎(商1・慶應志木)をマウンドに送る。すると、松本は低めを丁寧につく投球で、守りにリズムを生み出す。7回には若林将平(環1・履正社)の好返球もあり、守備でも良いプレーが見られた。


橋本典本塁打を含む2安打に加え盗塁をマークするなどチームを引っ張った

6点差のまま迎えた9回。何とか一矢報いたい慶大は、四球と8番矢澤の二塁打でチャンスを作り、9番角谷隆之介(環2・湘南)の内野ゴロの間に1点を返す。続くチャンスに打席には橋本典。2球目の直球を引っ張ると、風に乗ってそのままライトスタンドへと吸い込まれるツーランを放つ。しかし、反撃もここまで。大事な初戦を勝利で飾ることはできなかった。

秋季リーグ戦が終わった翌日に開催された今日の試合、選手たちは様々な想いを抱えて試合に臨んだことだろう。しかし、今日のグラウンド上の選手たちの表情はすでに前を向いていた。守備の面では課題が多く見られたが、その分、春から大きく成長していた部分も多々あった。初戦を落とし、優勝への望みは絶たれたが、まだトーナメントが終わったわけではない。試合を経るごとに成長していく彼らの姿に期待したい。

(記事・菊池輝  写真・川下侑美、小林歩)

◆打撃成績

  
[9]橋本典中飛 中飛 二安 二ゴロ 右本②
[8]水久保一飛 死球 中飛    
H保科      四球  
R8新美        捕邪飛
[D]藤元遊ゴロ 遊併 逃三振    
HD山本賢      遊ゴロ 空三振
[7]若林 逃三振 左安右飛  三ゴロ 
[5]福井 右本① 中飛 空三振 左飛 
[3]鶴岡 右安 左安 三ゴロ 三ゴロ 
[2]植田響 右飛 遊ゴロ① 四球  四球
R谷口         
[4]矢澤 右安 右安 中飛   
H松田        右2
[6]角谷 左飛 三飛  逃三振  
H小川        遊ゴロ①

◆投手成績

 投球回数打者数球数安打三振四死球失点自責
●森田晃42/32576
井上怜01/3
関谷02/331
松本31/31355

◆監督・選手コメント

吉田健一郎新人戦監督(商4・慶應湘南藤沢)

――今日の試合を振り返って

打撃に関してはすごい自信があったんですけど、エラーと四球で自滅して負けた感じです。

――エラーが多くなってしまったことについては

取れるアウトを取ろうという話はしていましたが、グラウンドに立つと慌ててしまい、普段の練習でやっていることができなかったです。下級生なので、経験のなさというのが出てしまったのかなと思います。

――打撃に関して。今日はチームとしてどのような意識を持っていましたか

去年の春のフレッシュリーグでは、140キロを超えてくる直球が打てなかった。だから、速い球をいかにして打つかという点で、学生コーチに毎日500球以上、体感速度150キロのボールを打ち込みました。その結果、速球に強くなりました。あとは狙いを絞ったことです。選手で話し合って決めて、それを徹底し、甘い球を捉えられることに繋がりました。

――好投した松本投手の投球については

ボールが浮くという課題があったんですけど、今日は低めに制球出来ていたので、抑えられたんだと思います。

――次戦に向けて意気込みをお願いします

今日は負けましたけど、打撃陣に関しては絶対的な自信があるので、簡単に負けるわけがないと思っています。何とか次、勝てるように頑張ります。

橋本典之(環1・出雲)

――今日の試合を振り返って

昨日早慶戦があって、4年生の方々が素晴らしいチームを作ってくださったから、そのチームが負けたので本当に悔しくて絶対新人戦優勝してやろうという気持ちで挑んだのですが、エラーが絡んだりして、点は結構取ったのですが負けてしまって、自分らの無力さを痛感しました。

――本塁打の打席を振り返って

それまであまりタイミングが合っていなくて、上手く修正できて打てたのだと思いました。そんないい当たりでもなかったので、風に助けられたと思います。

――盗塁も記録するなど自分の強みを出せているのでは

本当に自分のできる事は全部やろうという気持ちで来たので、それは8割くらいは出せたかなと思います。

――明後日以降への意気込み

全部勝ちたいです。

福井章吾(環1・大阪桐蔭)

--今日の試合を振り返って

春のフレッシュリーグでは1回も勝てず、今季はなんとか1勝したいという思いで戦いました。勝てずに悔しいです。

--第1打席ではホームランが飛び出しました

プレーでチームをしっかり引っ張っていこうと思っていたので、その結果がホームランになってよかったです。

--守備に関しては

今回は三塁を守らせていただきましたが、良いプレーができなかった場面もあり、自分の力不足を感じました。

--明後日以降の試合に向けて、意気込みを

プレーでチームを引っ張って、必ず1勝できるように頑張っていきたいと思います。

松本遼太郎(商1・慶應志木)

――今日の試合を振り返って

打線が粘ってくれていたので、あとはピッチャーがどうにかっていう場面でマウンドに上がったのですが、神宮初登板ということもあり今後につながる登板になったと思います。

――どんな思いでマウンドに上がりましたか

登板したのが満塁の状況で切羽詰まっていたのですが、とにかくいつも通りの自分の球を投げるだけだったので、腹をくくっていきました

――結果としては3回1/3を無失点でした

いい球を投げられたのも何球かあったのですが、バッターが打ち損じてくれた部分もあったので、そこはもっと練習して打ち損じを待たない投球をしていきたいと思います。

――明後日の試合への意気込みを

これで優勝はなくなったのですが、春はフレッシュリーグで1回も勝てていなく悔しい思いをしたので、ここから2勝して頑張っていきたいと思います。