「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」

辰己 涼介 たつみ・りょうすけ
社高→立命館大
中堅手・右投左打・180センチ74キロ
1996年12月27日生(21歳)

 

 2年から侍ジャパン大学代表に選ばれ、今年は代表の主将も務めた大学ナンバーワン野手。打っては4年春に関西学生リーグ通算100安打を達成し、走っては50m走のタイムが5秒7、守っては強肩によるレーザービームで観客を唸らせる。走攻守のどれをとっても半端ない男だが、それ以上に半端ないのは強気のメンタルだ。

 立命館大の後藤昇監督は「アイツは自分より上手い選手はいないと思っている。強引に引っ張れるリーダーはそんなにいない」と辰己を評する。最上級生となり、主将に就任した辰己は図抜けた実力と強気の言動でチームを引っ張ってきた。

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 そんな辰己らしさを象徴する試合がある。今年の大学野球選手権の初戦となった奈良学園大戦だ。試合前日のミーティングでは「困った時は俺の前のランナーを溜めろ」と宣言していた。すると同点の5回表に二死二、三塁という場面で辰己に打席が回り、宣言通りに勝ち越しの2点適時二塁打を放つ。辰己の有言実行の一打が決勝点となり、立命館大が勝利を収めた。

 辰己の4年間は有言実行の積み重ねである。「1年生からすぐ試合に出て2年生までに代表入り」という入学前に描いていた青写真を見事に実現させた。そして「ドラフト1位でプロに行く」という目標も4年間で実績を積み重ねてきたことでもうすぐ現実になろうとしている。しかし、辰己はそれで満足するつもりはない。「プロでは2000本安打を打つと決めているので、1年目から活躍したいと思っています」とプロ入り後の目標も明確だ。

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「将来はトリプルスリーを目指せる打者になりたい」という辰己がプロ1年目に設定した最低ラインが打率.250、20本塁打だ。この数字の根拠は「自分はそんなに繊細な打撃ができる方ではない。最近は数試合に1本はホームランを打てるようになって、ホームランを打つ感覚がわかってきた」ということからだ。

プロ1年目で20本塁打以上を達成した選手は2003年の村田修一(元巨人など)以来、出ていない。しかし、これまで宣言通りの結果を残してきた辰己ならやってくれるのではないかという期待を感じさせてくれる。プレーも発言も魅力的な辰己がプロ野球のスターになる日もそう遠くはないはずだ。

文・写真=馬場遼