2週間前の法大3回戦では延長12回、4時間半超えの記録に残る熱戦を制し見事勝ち点を獲得。目標の三連覇達成へまた更に一歩近づいた。そんな慶大の今週の相手は立大。先発・髙橋佑樹(環3・川越東)の好投と、中村健人(環3・中京大中京)の今季5本目と…

2週間前の法大3回戦では延長12回、4時間半超えの記録に残る熱戦を制し見事勝ち点を獲得。目標の三連覇達成へまた更に一歩近づいた。そんな慶大の今週の相手は立大。先発・髙橋佑樹(環3・川越東)の好投と、中村健人(環3・中京大中京)の今季5本目となるホームランなどで試合は慶大優勢を保ち、3点差をつけて見事な勝利を掴み取った。髙橋佑は見事な投球で自身初の完投。勝ち点獲得に向けて白星スタートを切った。

夏の蒸し暑さとは打って変わって、秋の深まりを実感する肌寒さの中、慶大の優勝へ向けた戦いは幕を開けた。慶大先発の髙橋佑は初回からテンポよく三者凡退。その後も渡部遼人(環1・桐光学園)のダイビングキャッチなどを絡め、髙橋佑の好投で3回まで三者凡退で相手打線を抑えた。

一方の打線は、2回に嶋田翔(環2・樹徳)がライト方向に大飛球を放つも惜しくもフェンス手前でスタンドには届かず、2回まで無得点に終わる。しかし3回、遂に試合は動く。先頭・中村が本試合1本目のヒットで出塁すると、続く渡部の難しい内野安打で無死一、二塁のチャンスを作る。すると立大先発・川端の制球が乱れ、2個連続の四球で押し出しの1点、続く嶋田のレフトへの犠牲フライで計2点を追加した。

しかしそう簡単には試合は進まない。援護をもらった髙橋佑だが、先頭打者に本日初の四球を許すと、その後バントなどが絡み2死三塁のピンチを迎える。アウト1つで無失点に抑えたいところであったが難なくセンター前ヒットを放たれ1点追加。点差を1点に縮められ、攻撃に向かう。

何とか点差を広げたい慶大であったが、3回途中からマウンドに上がった立大・中川の好投に苦しみ、6回までテンポよく三者凡退に抑えられる。なかなか点差を広げられず迎えた7回、今季ここまで計4本のホームランで好調を維持する中村が見事なフルスイングで打った瞬間それとわかる見事なソロホームランを放ち、観客の大きな歓声を浴びた。

その後9回、立大投手が手塚に代わり、先頭打者の内田蓮(総4・三重)のライト前ヒットで出塁すると、続く4番・郡司裕也(環3・仙台育英)のレフト線へのツーベースヒットで無死二、三塁のチャンスを作ると、投手の牽制悪送球で三塁ランナーの内田がホームに帰りさらに1点を追加。点差は見事3点まで広げた。

先発髙橋佑は6回まで計3本のヒットを許すも、リズムよく相手打線を封じ、7回以降は見事な投球で打者を三者凡退に抑えた。野手の援護もあり、見事自身初となる完投で立大を制した。

大久保監督が「先発の役割をしっかり果たした」と振り返るように、打たせて取る投球で先発投手の役割を十二分に果たし、見事な完投勝利を収めた髙橋佑。中村や郡司の援護もあり、攻守ともにそれぞれの役割を十分に発揮した戦いであったといえるだろう。まずは明日2連勝で立大から勝ち点を獲得し、『完全優勝で三連覇』という目標にまた一歩、足を進めたい。

(記事・國分萌々子、写真・小林歩)