楽天―日本ハム12  11回、プロ初本塁打となるサヨナラ2ランを放ち、ガッツポーズして一塁に向かう楽天・山下=楽天生命パーク【写真提供:共同通信社】 東北楽天の山下斐紹が24日の北海道日本ハム戦で、プロ8年目で初ホームラン。その一発が試合を…

楽天―日本ハム12  11回、プロ初本塁打となるサヨナラ2ランを放ち、ガッツポーズして一塁に向かう楽天・山下=楽天生命パーク【写真提供:共同通信社】


 東北楽天の山下斐紹が24日の北海道日本ハム戦で、プロ8年目で初ホームラン。その一発が試合を決めるサヨナラ弾となった。
 強肩とパンチ力ある打撃を誇る捕手として、2010年のドラフト1位で福岡ソフトバンクに入団。福岡ソフトバンク時代は、選手層の厚さもあり7年間で一軍での出場試合数が37と二軍暮らしが続いていた。そして昨年オフに、西田哲朗との交換トレードで東北楽天入りし、新天地での巻き返しを誓っていた。今季は開幕一軍入りを果たすも、3度の登録抹消を経験。1軍定着をつかめずにいた。

 この日は、9回表の守備から出場。点の取り合いとなる緊迫した試合展開の中での出番だった。9回の守りでは、守護神・ハーマンの気迫の投球を好リード。打線が驚異の粘りで追いついた延長11回表も、苦しい投球が続いている松井裕樹も持ち味を引き出すリードで追加点を許さなかった。そして迎えた延長11回裏。1死1塁で打席に入った山下は、2球目のインコースのカットボールをフルスイング。打球はライトポール際へ消えるサヨナラ2ランとなった。

 プロ初アーチがサヨナラと劇的な一発となった山下は、「ここで打つしかないなと思って立ちました」と打席前の心境を語った。また、完璧なバッティングだったようで「切れるなということだけ思って、あと距離と感触は完璧だったので、あとは行ってくれという感じでした」と笑顔を見せた。

 後半戦がスタートしてから6勝1敗をチームは絶好調。2年連続のクライマックスシリーズ進出へ「まだまだ全然諦めていない」と力強い言葉を残した苦労人の活躍は、今のチームの象徴といえるだろう。