国際リーグのスーパーラグビーは、約1か月間の中断を経てレギュラーシーズンが再開した。

 日本から参戦して3季目のサンウルブズは、6月30日、シンガポール・ナショナルスタジアムで南アフリカのブルズと第17節をおこなう。リザーブに入った田中史朗は、約1週間前まで日本代表として活動も「切り替えはできています」と意気込んだ。

「試合があるなら出たいという気持ちはあります。自分のチームを、思うこと。日本代表なら日本のために、今回はいままでやってきたサンウルブズと、チームのために身体を張りたい。そう思っています」

 サンウルブズは、6月のテストマッチ期間が終わる前から動き出していた。6月18日から東京・辰巳の森ラグビー練習場で、走り込みなどを実施。日本代表のメンバーこそ招集できなかったが、同代表ではない海外出身者を鍛えた。

 サンウルブズはテストマッチ明けの試合を鬼門としていて、前年の同時期にあった第15節では敵地でライオンズに7-94で負けている。今度は、同じ轍を踏みたくない。田邉淳アシスタントコーチは言う。

「次に戦うブルズはモーリシャス10(6月15~17日に開かれた10人制ラグビーの国際大会)に出ていて、その次以降にぶつかるレッズの選手もクラブラグビーでプレーし、ワラターズのメンバーはこちらへ来ている(17日、秩父宮みなとラグビーまつりでNECと親善試合)。このチームだけ(6月に)試合ができないことは問題ですが、試合よりも速いスピードで練習する」

 テストマッチ期間明けの25日からは、腰を手術するジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチ以外の首脳陣がそろい踏み。一部を除く日本代表勢も辰巳で汗を流した。

「機会を得ているという意味ではいいんじゃないでしょうか。高いレベルで、ジャパンと同じ指導陣のもとでできる。個人のスキルアップのためにも、海外相手の試合をやれた方がいいです」

 こう話すのは徳永祥尭。次のブルズ戦ではNO8のスターターとなる。

 日本代表ツアーでは6月16日のイタリア代表戦(兵庫・ノエビアスタジアム神戸)でFLとして先発し好タックルを放つも、3-12とリードされ迎えたハーフタイムにアマナキ・レレイ・マフィとチェンジ。23日のジョージア代表戦はメンバー外となった。

 サンウルブズへ合流後の徳永は、イタリア代表戦時のプレーぶりを問われて一度は「正直、あまり覚えていないです。よくも、悪くもなかった」と語気を強め、改めてこう語った。

「いい意味でも、悪い意味でも器用で目立ったところがない。それならばインパクトのある他の選手を使うのかな、とも思いました」

 自己分析に基づく課題を発見し、モチベーションの高い状態でスーパーラグビーの実戦に挑める。今季残された3試合を通し、新たな自分の売りを作りたいという。

「今回の日本代表では、何かしら自分の武器になるものを作った方がいいと感じましたね。姫野(和樹)なら倒れてもすぐ起き上がってボールキャリー(突進)。リーチ(マイケル)ならキャプテンシーとラインアウトのジャンプ。布巻(峻介)、西川(征克)さんならジャッカル。それに対し、『徳永と言えば××』というものを作るイメージです。何にするかは、模索中ですが」

 サンウルブズは日本代表強化を促す装置でもあり、この国唯一のプロクラブでもある。出場選手それぞれがテーマを持ちながらも、組織として今季3勝目を目指す。(文:向 風見也)