関東大学オールスターゲーム2018の15人制メインゲームで、筑波大2年の仁熊秀斗(にぐま・ひでと)が途中出場から2トライを決めた。

 2018年度20歳以下(U20)日本代表に候補入りも、世界一を争うU20チャンピオンシップ(5月30日~6月17日・フランス)の登録メンバーからは漏れた。しかし心機一転、「スピードを活かしてもらえるように」と、球のもらい方や状況判断といった長所を、さらに磨いているところだ。

「選ばれなかったことは悔しかったです。(大会に)行ったメンバーと比べて劣るところがあったことは受け止めています」

 今回6度目となるオールスターは、6月24日にあった。会場の秩父宮ラグビー場がある東京都は最高気温27度とやや蒸し暑く、対抗戦選抜のリザーブだった仁熊は「前半から(出ていた選手たちが)疲れていっている、(防御網の)裏のスペースが空くな、と思っていました」。リーグ戦選抜と24-24で競っていた後半11分に登場し、思い通りのプレーを披露する。

 まずは14分、敵陣22メートル線付近右中間でCTBの前田土芽が球を蹴る。ゴール前まで弾道を追った仁熊がそのままフィニッシュし、直後のゴール成功でスコアを31-24とする。

 さらに加点して迎えた29分には、敵陣中盤右で自らパスを受けて目の前のタックラーの背後へゴロのキックを蹴る。ボールは相手の足に当てたるも、それを自ら受けると一気に3人抜き。同ゴールエリア右中間まで駆け抜けた。ゴール成功で45-24と点差を広げ、普段はライバル校にいる仲間たちから祝福された。

「外(WTBの位置)にどんどん振っていこうという声を自分から出して、トライを取れた。予想通りというか、狙っていた通りにできたのはよかったです」

 結局、66-24で勝利。明大から参加した対抗戦選抜の田中澄憲監督は、「学生たちがこのゲームの意味をとらえてくれて、決してお祭りではない真剣勝負を見せてくれた」。この先のシーズンで警戒したい選手には、対抗戦選抜のFBだった慶大の丹治辰碩、そして仁熊を挙げた。

「チームのストラクチャーをいい意味で裏切ってくれた選手。(対戦時には)気を付けていかなくちゃいけないと思いました」

 身長172センチ、体重81キロの仁熊は島根・石見智翠館高の2年時からU17高校日本代表入りし、2016年にはU20セブンズ日本代表にも名を連ねた。しかし筑波大1年生としてのシーズンを終えた後にジュニアジャパンのメンバーには入るも、15人制のU20日本代表入りができなかった。

 参加できなかったU20チャンピオンシップは、動画の生配信でチェックし続けた。「自分が出ていたらこういうプレーをしているな、ということを考えながら」。12か国中最下位も7点差以内での負けが3回と健闘した同世代の星を見て、「スピードと状況判断(を活かす)という長所のレベルをもう1つ上げれば、(自分でも)上で通用する」と闘志を燃やす。

「余らせてもらった(数的優位のある)ところでは自分の力でフィニッシュする。また、味方を活かせるような選手にもなっていきたいです」

 いつかまた、国際舞台でも暴れるつもりだ。(文/向 風見也)