国際武道大が九州産業大を4対3で破り、2年連続の決勝進出となった。 国際武道大は1年時からレギュラーの勝俣翔貴内野手(3年・東海大菅生)の先制本塁打、九州産業大は侍ジャパン大学代表候補の児玉亮涼内野手(2年・文徳)の同点打と、互いの主力選手…

国際武道大が九州産業大を4対3で破り、2年連続の決勝進出となった。
 国際武道大は1年時からレギュラーの勝俣翔貴内野手(3年・東海大菅生)の先制本塁打、九州産業大は侍ジャパン大学代表候補の児玉亮涼内野手(2年・文徳)の同点打と、互いの主力選手の一打などで2対2と互角のまま、10回から無死一、二塁から始まる延長タイブレークに持ち込まれた。
 ここで国際武道大は、九産大・岩城駿也三塁手(4年・東海大五)の一塁への悪送球と勝俣の適時打で2点を追加。その裏のマウンドには先発の平川裕太投手(4年・東海大浦安)が続投しマウンドへ上がった。

 平川は昨年の準決勝・上武大戦でもタイブレークを経験している。だが、昨年までは抑えを務めていたため9回からの登板で、当時のルールは1死満塁からのスタートだった。
「1死満塁の方が相手の攻撃パターンも絞られるので、今のルールの方が難しい」と話す平川だが、今日は相手3番の岩城からということもあり「バントはないだろう」と割り切って投げた。そしてそれが功を奏してか岩城を三塁ゴロに抑えると、その後犠飛で1点を返されたものの、最後は一塁フライに打ち取って試合終了。昨年とは違った役回りながらも、2年続けて決勝進出の立役者となった。
 平川はリーグ戦も含めてこれまでタイブレークを複数回経験しているが、今年は「先発になったので、もうタイブレークを投げることはないと思っていました」と苦笑いする。だが、タイブレークの極意を聞くと「(イニング開始時より)流れに溶け込むのは難しいので、初球から全力で投げる準備が必要です」と修羅場をくぐり抜けたからこその言葉を力強く語り、その姿は童顔な風貌からは想像できないほど、たくましいものだった。

決勝戦に向けては「総力戦だと思うので力を出しきりたいです」と意気込みを語った

決勝のホームを踏んだ鮎ヶ瀬。今季から正捕手だが「彼の成長が大きい」と岩井監督も成長に目を細める

★準決勝・国際武道大vs九州産業大
武道大 1100000002=4
九産大 0020000001=3
(延長10回タイブレーク)
【武】○平川-鮎ヶ瀬
【九】岩田、●浦本-揚村
本塁打:武道大・勝俣《1回ソロ》

◎国際武道大・岩井美樹監督
「厳しい戦いでした。今日は平川でしょう。100球を超えてからいつもの感じが出てきたので、大したものです。去年の経験があるからか、(ここまで来ても)選手はそんなに高ぶっている感じもありません。優勝と準優勝では天と地の差であることを去年経験しているので、全員でチャレンジしたいです」

◎九州産業大・岩城駿也内野手
「(10回表の悪送球は)置きにいってしまいました。大きな大会のこういう場面で緊張し、ビビっていた部分があったと思います。今まで強いチームを倒してきて、今日も勝てた試合だっただけに、1つのミスで決まってしまったのは申し訳なく感じています」

先制本塁打とダメ押しの適時打を放った勝俣。豊富な経験を生かして悲願の初優勝に導きたい

文=高木遊
写真=吉田優