進化のスピードを高めているバックローが先発の座をつかんだ。 6月16日にイタリア代表との第2テストを戦う日本代表。チームは同14日の午前中に東京・府中でトレーニングをおこない、午後に決戦の地、神戸へ向かった。 練習を終えてジェイミー・ジョ…

 進化のスピードを高めているバックローが先発の座をつかんだ。
 6月16日にイタリア代表との第2テストを戦う日本代表。チームは同14日の午前中に東京・府中でトレーニングをおこない、午後に決戦の地、神戸へ向かった。

 練習を終えてジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチ(HC)がおこなった試合メンバー発表記者会見。1番から名前を読み上げる途中、6番目に出てきたのが德永祥尭の名前だった。
 リザーブまで含め23人の顔ぶれは同じも、第1テストで先発NO8だったアマナキ・レレィ・マフィが軽い捻挫で20番のジャージーを着ることになった。代わりに8番には、先週は6番だった姫野和樹が。そして、20番だった德永が先発6番へ。持ち前のスピードを武器に暴れたい。

 指揮官は、德永の起用をこう話した。
「サンウルブズでも良いパフォーマンスを出し、活躍してきた。先発は、それでつかんだものです」
 マフィがレベルズでフルに働き続け、疲労が蓄積していることも、歩く足首を痛めていることも事実。しかし、それが德永をピッチに送り出す理由ではない。信頼を積み重ねてきたことが決め手だ。

 德永自身は「地元でできるのは嬉しいし、楽しみ」と話した。
 生まれは静岡・浜松も、埼玉を経て、6歳から兵庫・宝塚に暮らした。宝塚ラグビースクール出身。高校、大学と、関西学院で楕円球を追った。
「先発で長くプレーする機会をもらえたので活躍したい。キックチェイスや外でのプレー、ディフェンスと、自分に科された役割をやれるようになってきたとは思っています」

 サンウルブズ、日本代表に選ばれてはいても、なかなかプレー時間を延ばせない時期はあった。
「くさりかけた時期もありましたが、考え方を変えました。試合に出ている選手がなかなか体を大きくする時間を持てないなら、自分はそこに取り組もうと思った」
 筋肉量も増え、クオリティー高く体重増も実現。イタリアに対しても「ダイレクトプレーが多いが、ワン・オン・ワンでしっかり対応する」と準備に自信をみせる。プライドを持って挑んでくるだろうが、一歩も引くつもりはない。

 ジョセフHCも、第1テストよりタフな戦いになると感じている。「相手にとっても、どうしても勝ちたい試合。名誉挽回に燃えていると思う」と話した。
「しかし、私たちも戦術をしっかり選手たちに落とし込み、いい準備をしてきました」
 前半は競り、後半に勝負が決まる。第1テストと同様の展開になると予想した。
 先週の試合で出た課題も分かっている。
「ターンオーバー後のボールをもっと有効に使わないといけないし、タックル成功率は80パーセント程度だったので改善しないといけない。でも、選手たちには言いました。5日間(の準備)で変えられることは限られている、と」
 勝つマインドセットで戦いに臨むことがもっとも大事。指揮官は、それを強調した。

 ティア1国に連勝したら、得られる自信は大きい。
 それを胸にジョージアとも戦い、何がなんでもテストマッチ3連勝を。
 ジャパンがいっきに上昇するチャンスと、誰もが確信している。

■日本代表 選手名鑑 (試合登録メンバー背番号入り)
 ※ 画像をクリックすると大きく表示されます。

1.稲垣啓太(パナソニック)  2.堀江翔太(パナソニック)  3.具智元(ホンダ)  4.ヴィンピー・ファンデルヴァルト(NTTドコモ)  5.アニセ サムエラ(キヤノン)  6.德永祥尭(東芝)  7.リーチ マイケル(主将/東芝)  8.姫野和樹(トヨタ自動車)  9.田中史朗(パナソニック)  10.田村優(キヤノン)  11.福岡堅樹(パナソニック)  12.ラファエレ ティモシー(コカ・コーラ)  13.ウィリアム・トゥポウ(コカ・コーラ)  14.レメキ ロマノ ラヴァ(ホンダ)  15.松島幸太朗(サントリー)

〔リザーブ〕
16.庭井祐輔(キヤノン)  17.石原慎太郎(サントリー)  18.浅原拓真(東芝)  19.ヘル ウヴェ(ヤマハ発動機)  20.アマナキ・レレイ・マフィ(NTTコム)  21.流大(サントリー)  22.松田力也(パナソニック)  23.中村亮土(サントリー)