5年連続19回目の出場となった九州の雄・九州産業大が東海大との接戦を3対2で競り勝ち、5年連続の初戦突破を決めた。

 6回裏。東海大に先制を許した後に、九産大・岩城駿也内野手(4年・東海大五)が打席へ。すると、ここまで2安打に抑えてきた東海大の原田泰成投手(3年・東海大望洋)が岩城の初球前に一塁へ牽制悪送球。ファウルグラウンドでボールが転々としている間に走者は三塁まで進んだ。

 この状況で岩城は「ここで打つしかない。単打でもいい」と心に決めた。東海大の付属校に通いながらも九産大に進学したのは「九州の大学で、強いとされている関東の大学に勝ちたかったから」。どうしても負けられない相手だったからこそ、燃えるものがあった。そして2ボール1ストライクから真ん中に入ったストレート振り抜くと、打球は鋭い速さで三遊間を抜ける同点の適時打となり、試合を振り出しに戻した。今春のリーグ戦で7本塁打を記録したドラフト候補スラッガーだが「チームの最低限の目標である4強以上のために、自分のアピールは二の次」とチームバッティングに徹した。

 これで盛り返した九産大は7回に西山天翔外野手(4年・熊本工)と武上貴則外野手(2年・飯塚)の連続適時打で2点を勝ち越し。8回には1点差まで詰め寄られたが、2番手の浦本千広投手(3年・必由館)が味方の好守にも助けられながら、なんとか凌いで逃げ切った。

 次戦(13日)の相手は東洋大。上茶谷大河投手(4年・京都学園)、甲斐野央投手(4年・東洋大姫路)、梅津晃大投手(4年・仙台育英)の最速150km/hを超える右腕トリオを擁する強敵だが、岩城は「これだけの投手とやれることはあまり無いこと。ワクワクしています」と意気揚々。幸先の良いスタートを切った大砲が豪腕たちに立ち向かう。

昨春からスイングスピードが上がり「インコースが打て、ミスショットも減った」と自信をつけている岩城

★1回戦・東海大vs九州産業大
東海大 000001010=2
九産大 00000120X=3
【海】原田、●飯嶋、小郷、青島-海野
【産】岩田、○浦本-揚村

◎東海大・安藤強監督
「5回のスクイズ失敗は当てられないボールじゃないし、6回の牽制悪送球もとんでもない球じゃない。一球で勝負が決まる重みを感じながらやっていかなくちゃいけないですね」

◎九州産業大・大久保哲也監督
「この形でしか勝てないので予定通りです。東海大の映像を観て球速の速い投手だったので変化球は捨てるように対策していました。(次戦は)東洋さんとできることチャンスと捉えて戦いたいです」

文=高木遊
写真=馬場遼