関西勢対決となった立命館大と奈良学園大の一戦はドラフト上位候補である辰己涼介外野手(4年・社)の一打が決勝点となり、4-3で立命館大が初戦を突破した。

 前日のミーティングで「困った時は俺の前にランナーを溜めろ」と豪語していた辰己。1-1の同点で迎えた5回表に二死二、三塁と勝ち越しのチャンスで3番の辰己に打席が回る。「左中間を狙って自分の形でスイングすることを意識していました」と狙い通りに1ボールから外角のストレートを振り抜き、左中間を破る2点適時二塁打で勝ち越しに成功する。

 

勝ち越し打を放った辰己

 

 さらに辰己の見せ場はここで終わらなかった。次の打席では二死からファーストストライクを豪快に空振りした次の球を三塁方向に絶妙なセーフティバントを決めて出塁する。実は打席に立つ前からセーフティバントをすることを決めていてファーストストライクはわざと空振りしたという。辰己にとっては3度目となる大学野球選手権で存分に力を発揮した。

 立命館大先発の山上大輔投手(4年・立命館宇治)は「序盤は真っすぐを狙われていると思ったので、変化球でカウントを整えて真っすぐで勝負しよう」とスプリットとカットボールを軸に8回2失点9奪三振の好投。9回に後を受けた小橋遼太郎(4年)は二死一、三塁から適時打で1点を返されるも、ライト・三宅浩史郎外野手(2年・神港学園)の好返球で一塁走者を三塁で刺してゲームセット。反撃する奈良学園大を辛くも振り切った。

 

プロ注目の山上は8回2失点の好投

 

 惜しくも敗れた奈良学園大は3番ライトでスタメン出場した菅田大介(3年・京都共栄学園)が6回途中から登板し、酒井真二監督が「期待以上の投球をしてくれました」と評価する自責点0の好投。9回裏には適時打を放ち、「大学野球界の二刀流」として存在感を示した。

 

打っても2安打2打点を挙げ、投打で力を発揮した菅田

 

◎立命館大・後藤昇監督
「辰己は昨日のミーティングで『困った時は俺の前にランナーを溜めろ』と豪語していましたが、その通りになってくれて良かったです。辰己はリーダーシップを取れるキャプテンです。山上は期待しているほどのピッチングではありませんが、よく凌いでくれました。大学野球選手権は3回目ですが、まだ神宮で試合をしたことがないので神宮でできるように頑張りたいです」

◎立命館大・辰己涼介主将
「(勝ち越し打の打席は)左中間を狙って自分の形でスイングすることを意識していました。一番経験している選手が引っ張っていくべきだと思っていたので今日の結果に関しては良かったです」

◎奈良学園大・酒井真二監督
「(辰己の決勝打の場面は)”歩かしてもいいよ”という指示だったのですが、今思えば中途半端な指示でした。選手に申し訳ないです。菅田はこうしたケースも予測して3回・4回から(攻撃中に)肩を作らせていました。期待通り、期待以上の投球をしてくれました」

◎奈良学園大・菅田大介外野手(3年・京都共栄学園)
「いつもなら8・9回からだが左打者が多いので今日は5回には完成するように肩を作っていました。調子良く球の質は良かったです。秋はエースを目指し、投打で軸になりたいです」

★1回戦・立命館大vs奈良学園大
立命館 100021000=4
奈良学 100000101=3
【立】○山上、小橋-大本
【奈】●摺石、大畑、菅田-瀬口
本塁打:奈良学園大・米満≪7回ソロ≫

文=馬場遼
写真=吉田優