イタリア代表とのテストマッチ第1戦を翌日に控えた日本代表が、会場となる大分銀行ドームで前日練習をおこなった。
 グラウンドに出てからロッカーに引き上げるまで、1時間足らず。身体を動かす時間はわずかだった。取材陣に公開された最初の15分、メンバーはグラウンド中央で円陣を組むと、その後はSO田村優を先頭にピッチの中を歩きながら、それぞれの地域でのサインプレーを確認。通常の前日練習のように、ボールを使うことはなかった。公開が終わった後も、ラインアウトの確認や個人練習で準備を終えたという。

「選手はかなり強度の高い練習をしてきて、疲労が溜まってきていたので、リーダー陣に伝えて(ウォークに)しましょうと」
 練習後の囲み取材で、リーチ マイケル主将が身体を動かさない練習にした理由を話した。これまで試合2日前(7日)は移動のみだったが、今回は東京で午前中に練習をしてから大分入りと、今週の練習量は実際に多かった。
「宮崎(合宿)からずっと練習してきたから、目をつむっててもできるくらい(笑)」(リーチ主将)

 ルーティンを変えられた一番の理由は、積み上げてきた自信だろう。
 イタリア代表との前回の対戦は4年前。当時も出場したSH田中史朗は、スタイルの変化を警戒する。
「FWがそんなにゴリゴリという感じではない。逆に回してきたり、ディフェンスが揃っている印象がある。僕は相手を疲れさせて、後半、流でペースアップする。まず前半でリードして終わるのが僕の使命。しっかりFWをコントロールして、特にディフェンスで前に出たい」

 最後尾を任された松島幸太朗は「調子はすごくいい」。
「まずFWにセットプレーで圧倒してもらって、BKはハイパント処理をしっかりすることで、自分たちがアタックできる環境ができる。映像を見た限りではスペースは結構ある。そこをしっかり見極めればチームに勢いを与えられる」

 恒例の6月のテストマッチシリーズ。初戦を落とすことも多かったが、昨季までと大きく違うのは、サンウルブズで試合を重ねた点だ。リーチ主将は「(初戦で)負けて立て直して、次に勝つことはしたくない」と第1戦からの勝利を明言する。
「先週くらいからそう言ってる。テストマッチ一発目(から)勝つ。そのためにサンウルブズで準備してるんだから。言い訳できない」

 代表の主力は5月19日、香港でおこなわれたスーパーラグビーのストーマーズ戦翌日に帰国。テストマッチに備えた。ジェイミー・ジョセフHCが指揮官を兼任するアドバンテージだ。だからこそ、これまで以上に勝利が至上命題だ。

 世界ランクでは日本が上だが、対戦成績は1勝5敗と分が悪い。シックスネーションズで揉まれている相手でもある。
「僅差の試合を勝てるようにしていかないと、(このまま)ワールドカップまでいってしまう」と松島。

 明日は納得できる内容で勝ちきりたい。
 大分でテストマッチがおこなわれるのは、初めて。明日は、交通規制やシャトルバスの運行など、来年のワールドカップへのシミュレーションともなる。芝は「これまで試合した中で一番いい。めくれない」とリーチ。スパイクはいつも18㎜のポイントだが、16㎜でも刺さるという。開閉式のドームだが、明日は屋根を閉めることが決まっている。(文:森本優子)