ともに今季未勝利で迎えた法大と東大の1回戦は、法大が4番・中山翔太外野手(4年・履正社)の東京六大学野球史上8人目となるサイクル安打を放つ大活躍などで、待望の初勝利を手にした。これまで打点なしだったのが信じられないほど、今日は長短織り交ぜた…

ともに今季未勝利で迎えた法大と東大の1回戦は、法大が4番・中山翔太外野手(4年・履正社)の東京六大学野球史上8人目となるサイクル安打を放つ大活躍などで、待望の初勝利を手にした。

これまで打点なしだったのが信じられないほど、今日は長短織り交ぜた4安打で6打点を挙げた中山

 

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 16安打17得点による大勝で今季初勝利を挙げた法大。大量得点の幕開けは中山のライト線への適時三塁打からだった。さらに続く福田光輝内野手(3年・大阪桐蔭)も三塁打で続き、初回から2点を奪った。
 投げてはエース・菅野秀哉投手(4年・小高工)が4回まで東大打線を2安打に抑えていく。すると5回から7回にかけて法大打線が相手守備のミスを逃さず東大投手陣に襲いかかった。
 3イニング続けて5点を奪った中で、中山は5回に左中間へ適時二塁打、6回にはレフト前へ適時安打を放ち、サイクルヒットに王手をかけた。そして7回の第5打席に「こすった感じでしたけど角度が良かったです」と振り返るレフトへの2ラン本塁打を放ち、東京六大学野球史上8人目のサイクルヒットを達成した。
 大記録の達成にも中山は「記録は8回裏の守備で下がった時に知りました。まずは勝てて良かったです」と殊勝に語った。この試合まで.350の高打率を残しながらも打点を挙げてこられなかっただけに「今日(6打点)のように打点をもっと稼いでいきたいです」と、チームの巻き返しに向けてさらなる活躍を誓った。

◎法政大・中山翔太外野手(4年・履正社)
「これまでは“強く叩こう”という意識がありすぎて体が反っていたので、その修正に取り組んできました。(先週は試合がなく)練習から見つめ直してやってきたことが今日に繋がりました。左中間への二塁打が体も開かず丁寧に打てて一番良かったです」

◎法政大・青木久典監督
「これまで中山は“飛ばしたい”思いが強すぎて、左中間・右中間にも打球を飛ばせるのが良さなのに、レフト方向にばかり打球が行っていました。打率は悪くなかったのですが、4番は“打率より打点”なので、試合の無かった先週に体重移動や意識を改善しようとやってきました。ようやく4番の仕事を果たしてくれました」

7回4安打1失点の内容で、今季5試合目の登板にして初勝利を挙げた菅野は「やっと1勝。これで満足はできないのでもっともっと勝っていきたい」と語った

★法政大vs東京大1回戦
法大 200055500=17
東大 000000100=1
【法】○菅野、森田−中村浩、鎌倉
【東】●小林、山下大、濵﨑、川口—三鍋、大崎
本塁打:法大・中山《7回2ラン》

◎東京大・浜田一志監督
「先発の小林の対策を十分練ってきていて法政の本気度を感じました。みんな右方向中心にしっかり打っていましたね。相手の準備が一枚も二枚も上でした」

文・写真=高木遊