今季のプロ野球のタイトル獲得者などを表彰する「NPB AWARDS 2017 supported by リポビタンD(NPBアワーズ)」が20日、東京都内であった。2年ぶりの日本一を達成した福岡ソフトバンクの選手は7部門でタイトルを獲得し、…

今季のプロ野球のタイトル獲得者などを表彰する「NPB AWARDS 2017 supported by リポビタンD(NPBアワーズ)」が20日、東京都内であった。2年ぶりの日本一を達成した福岡ソフトバンクの選手は7部門でタイトルを獲得し、ベストナイン選出の4選手らも表彰された。パ・リーグMVP(最優秀選手)のデニス・サファテ投手(36)を始め、タイトルを獲得した6選手の喜びの声を紹介する。

 

移籍1年目に2冠 デスパイネ (最多本塁打、打点)

写真提供=共同通信

 

来日4年目は最高のシーズンとなった。ロッテから移籍して1年目で本塁打、打点の2冠。リーグ優勝、日本一も初めて経験した。ベンチの期待に応え、大きな故障もなくシーズンを駆け抜けた大砲は「移籍1年目でタイトルや(7月の)球宴MVP(最優秀選手)を獲得できて素晴らしい1年間だった」と満足そうに振り返った。過去のシーズン最多は昨年の24本塁打、92打点で、30本塁打以上も100打点以上も今年が初めて。その中でも「チームが勝った試合で打った本塁打が印象に残った」という。「自分が打って負けても意味がない」。主軸の自覚とともに、来年はチームを連続日本一に導く。

終盤離脱でも3年連続 柳田(最高出塁率)

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シーズン終盤までプロ野球13年ぶりの三冠王も狙える活躍でチームを頂点に導いた。リーグ優勝決定後に故障で離脱したこともあり本塁打、打点は同僚のデスパイネ、打率は秋山(西武)を上回れなかったが、出塁率は3年連続でリーグトップだった。「どれだけチームに貢献できたかが分かる大事な数字。3年連続の獲得ということもあり素直にうれしい。出塁率は自分の力で上げていけるやりがいもあって、長打率と合わせていつも意識していた」と胸を張った。来年は節目の30歳となるシーズン。充実期を迎えている大砲は「来年も再来年もトップを取れるように頑張っていきたい」と意気込んだ。

史上初 50超 サファテ(最多セーブ)

写真提供=共同通信

 

記録ラッシュのシーズンを最高の栄誉で締めくくった。プロ野球史上初めて50の大台を超え、3年連続で最多セーブのタイトルを獲得。絶対的な存在感でチームを2年ぶりの日本一に導いた右腕は「うれしい。先発、中継ぎ、野手の力がなければセーブはつかない。自分個人のタイトルというより、チーム全員で勝ち取ったタイトルだと思う」と喜びを表現した。
プロ野球歴代5位のシーズン94勝を挙げたチームにあって、その半数以上の試合で最後のマウンドを任された。だからこそ「チームメートの力なしでは達成できていなかったと思う。本当にみんなに感謝している」と強調する。外国人選手最多を更新中の通算セーブ数は229。チームの勝利を何より優先するストッパーは、順調なら来年にも250セーブで名球会入りを果たしそうだ。

初の規定投球回到達 東浜(最多勝利)

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充実のシーズンを彩る勲章となった。5年目で初めて規定投球回(143回)に到達し、初めて2桁勝利も挙げた。その結果としてついてきたのが最多勝だ。「開幕当初はタイトルを取れるとは思わなかった。野手の方が多く点を取ってくれたり、中継ぎの方がしっかり抑えてくれたりしたおかげ。まずはそこに感謝したい」と謙虚に振り返った。故障者が相次いだ先発ローテーションを守り抜き、節目の試合では必ずチームを白星に導く快投。リーグ優勝を決めた試合でも勝利投手となった。「1年間先発で投げられたのは自分にとってもプラスになる」。大きな手応えを今後のさらなる躍進につなげる。

昨年の悔しさばねに 千賀(勝率第1位)

写真提供=共同通信

 

昨年の悔しさを忘れずに初タイトルをつかみとった。規定の13勝を挙げての勝率第1位。シーズン最終登板では打線の援護で自身の黒星が消えたこともあり「野手の方々にも感謝したい」と謙虚に語った。昨年は高勝率を記録しながらも12勝止まりで、タイトルを獲得したのはチームの先輩の和田。その和田からアワーズについて「いい刺激になる行事。絶対に取ったほうがいい」と言われていたという。「自分にはないと思っていたものが手元にいきなりきて、うれしいという気持ちはもちろんだし、不思議な感じ」。育成出身として多くの「初」を手にしてきた右腕にまた一つ、勲章が加わった。

球団記録更新46HP 岩崎(最優秀中継ぎ)

写真提供=共同通信

 

セットアッパーとして完全開花した。これまでは先発、中継ぎで起用されて才能を発揮してきたが、プロ10年目は初めて先発登板ゼロ。先発へのこだわりを封印し、ブルペンの頼れる存在として主に八回のマウンドを守り続けた。「自分のできることをやってきた。内容もついてきたし、自信になった」と手応えを口にする。今季リーグ最多の72登板は2010年の摂津を1試合上回る球団記録で、ホールドポイントも14年に五十嵐がマークした球団記録を更新する46。日本一のチームで貫禄を示した右腕は「勝ちパターンでしっかり投げられた。やりがいあるポジションを見つけられた」と感慨深げだ。

記事提供=西日本新聞
https://www.nishinippon.co.jp/cp/nbp_awards/

写真提供=共同通信社