動ける体を維持したいと思っていても、実はその土台となる骨や筋肉は、気づかないうちに弱ってしまうことがあります。特に将来の…

動ける体を維持したいと思っていても、実はその土台となる骨や筋肉は、気づかないうちに弱ってしまうことがあります。特に将来の骨粗しょう症リスクは、若いうちからの生活習慣によって大きく変わることが知られています。

そのリスクを左右する栄養素のひとつが「ビタミンD」です。ビタミンDは健康を保つために欠かせない栄養素ですが、日本人は不足しがちであることをご存じでしょうか。ビタミンDが足りない状態が続くと、骨や筋肉に影響が出ることがあります。動ける体を維持するためにも、若いうちからビタミンDを意識して摂取することが大切です。

ビタミンDの働きや日本人の摂取状況、食事で効率よく補う方法について、管理栄養士が詳しく解説します。

ビタミンDには、カルシウムの吸収を助ける働きがあります。カルシウムは骨や歯の材料となるミネラルですが、食べ物からの吸収率はあまり高くありません。カルシウムが豊富な食材として知られている牛乳を摂取しても、含まれるカルシウムのうち40%程度しか体に吸収されないと考えられています。また、体に吸収されたカルシウムが骨に定着するのをサポートするのもビタミンDの役割です。

骨は体を支え、動かすための土台となる存在です。骨の健康が損なわれると、運動のパフォーマンスが低下したり、ケガをしやすくなったりするおそれがあります。ビタミンD不足により心配されるのが、骨がもろくなり骨折しやすくなる「骨粗しょう症」です。

骨が丈夫な状態を保てているのは、体内で古い骨が壊され、新しい骨が作られるというサイクルが繰り返されているためです。しかし、歳を重ねるにつれてこのサイクルのバランスが崩れることから、高齢になると骨粗しょう症を発症しやすくなります。さらに、ビタミンDやカルシウムが不足していると、骨粗しょう症のリスクは一層高まります。

高齢者の骨折は、筋力や活動意欲の低下をまねきやすく、寝たきりや要介護につながることも少なくありません。このような背景から、国の健康政策である「健康日本21(第三次)」でも、骨粗しょう症対策が重要な課題のひとつとされています。

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加えて、近年注目されているのがビタミンDと筋肉の関係です。重度のビタミンD欠乏では、筋力低下や筋肉痛が起こることが報告されています。骨と筋肉は連動して体を動かしているため、運動のパフォーマンスを保つうえでも、ビタミンDは重要な栄養素といえるでしょう。

あなたも足りていないかも?不足しがちなビタミンD

ところが、現代の日本人はビタミンDを十分に摂取できていないことが分かっています。

厚生労働省が示す「日本人の食事摂取基準」では、ビタミンDについて、成人を含む12歳以上の男女ともに1日あたり9.0μgを摂取目安量としています。

一方で、令和6年の「国民健康・栄養調査」によると、20歳以上の平均摂取量は男性7.2μg、女性6.6μgにとどまっており、多くの年代でビタミンDが十分に摂取できていない状況です。特に、比較的若い世代で摂取量が少ない傾向が見られます。

年代別ビタミンD摂取量(1人1日あたり平均値、単位はμg)

年齢男性女性20〜29歳5.35.330〜39歳5.45.140〜49歳5.84.850〜59歳6.85.860〜69歳7.67.2

※厚生労働省「令和6年『国民健康・栄養調査』の結果」をもとに作成

また、美白や皮膚の健康を意識して日光を避ける生活習慣も、ビタミンDが不足する要因のひとつと考えられています。

ビタミンDは、紫外線を浴びることで体内でも合成される栄養素です。紫外線が当たると、皮膚に存在するコレステロールの一種がビタミンDに変化します。

しかし、日焼け止めや日傘などを利用して紫外線を避けていると、体内でのビタミンD合成がスムーズに進みません。さらに、夏に比べて冬は紫外線の照射量が少なくなるため、血液中のビタミンD濃度が低くなることも分かっています。

アスリートもビタミンD不足が指摘されるケースがあり、日常的に体を動かしている人にとっても決して無関係な問題ではありません。

紫外線による皮膚への影響が気になる方や、室内での活動時間が長い方はもちろん、紫外線の照射量が少なくなる冬場は、とくに食事からビタミンDを意識して摂取する必要があります。

毎日の食事でビタミンDを補うコツ

ビタミンDは、主に次のような食品に多く含まれています。

魚類:サケ、イワシ、カレイ、サンマなどきのこ類:まいたけ、きくらげなど

魚は切り身だけでなく、サバやイワシなどの缶詰を利用する方法もあります。缶詰は長期保存が可能なうえ、骨までやわらかく調理されているため、まるごと食べることで骨に含まれるカルシウムも摂取できるのが魅力です。

きくらげは乾燥品が多く流通しています。保存性があり、水や湯に浸して戻せばいつでも使えるため、常備しておくと便利です。炒め物のほか、湯通しすれば和え物にも使えます。

また、ビタミンDは油と一緒に摂取すると、体に吸収されやすくなる性質があります。油で炒めたり揚げたりして調理するのがおすすめですが、脂質の摂取を控えたい場合は、豚肉や牛肉、卵など、脂質を含む食材と組み合わせて摂取するとよいでしょう。

動ける体を維持するために。ビタミンDを取り入れよう

ビタミンDは、骨や筋肉の健康を支える大切な栄養素です。しかし、日本人は食事からの摂取量が不足しており、日光を浴びる機会も減っていることから、ビタミンDが不足しがちとされています。健康で動ける体を維持するために、今から食事でのビタミンDの摂取を意識してみましょう。

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執筆者・監修者プロフィール

いしもとめぐみ

ライター、管理栄養士。国立大学文学部を卒業後、一般企業に勤務。その後、管理栄養士資格を取得し、病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士といった食の現場を幅広く経験する。2022年に独立し、現在は食・健康分野を中心に取材・執筆を行っている。

【参考文献】
厚生労働省「『日本人の食事摂取基準(2025年版)』策定検討会報告書」
厚生労働省「令和6年『国民健康・栄養調査』の結果」
厚生労働省「健康日本21(第三次)」
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
津川尚子. 日本人のビタミンD栄養の現状と骨および筋肉における役割. 日本スポーツ栄養研究誌. 2020, vol,13, p.9-15

<Edit:編集部>