「ジャパネット杯 春の高校バレー」JVA第78回全日本バレーボール高等学校選手権大会は5日、男女各52校が参加して東京体…

「ジャパネット杯 春の高校バレー」JVA第78回全日本バレーボール高等学校選手権大会は5日、男女各52校が参加して東京体育館で開幕する。男子で夏の全国高校総体、秋の国民スポーツ大会に続く「全国3冠」を目指す鎮西(熊本)は名将・畑野久雄監督が昨年11月に急逝。2年生エースの一ノ瀬漣は4日、「高校としても自分たちにも特別な春高になる」と、亡き師にささげる活躍を誓った。

開幕を翌日に控え、一ノ瀬は少し硬い表情だった。

「負けられないという思いで緊張している」

長い伝統を持つ鎮西にとって初の3冠を目指す旅路は、思わぬ悲しみに見舞われた。昨年11月24日、長く同校を率いて多くの日本代表選手を育ててきた畑野久雄監督が80歳で急逝した。前日には練習試合の指揮を執っていた。学校に集合して訃報を知った一ノ瀬は、信じられず「何も考えられなかった」という。

佐賀・大和中3年の夏、熊本市の鎮西での練習に参加。畑野氏から「ウチに来ないか」と誘われ「行きたいです」と即答した。そんな恩師との別れ。11月26日の通夜で最後のお別れをして「(気持ちを)切り替えないといけないと、みんなで話した」というが「今でも(死去が)本当なのか分からない」との思いは消えていない。

中学時代から注目され、鎮西でも1年時から先発に抜擢(ばってき)された。2年になってチームの大黒柱に。高校総体ではセッターの福田空主将と、エース対角を組む大石秀の3年生2人が負傷欠場する中、「自分が引っ張っていかないと」とチームを鼓舞し、優勝に導いた。

国スポでは決勝で京都(東山単独)とフルセットの激戦。セット2-0から追いつかれて迎えた第5セットは、3-8から相手エースの岩田怜緯(2年)との打ち合いを制して逆転勝ちした。同学年の岩田とはライバル関係だが「試合全体では怜緯の方が安定して点を取っていた。まだ怜緯の方が上」と謙虚に話す。

今大会、互いに順調に勝ち上がれば東山と準々決勝で対戦する。当初は「マジか」と思ったというが「どうせ優勝を狙うなら決勝でも準決勝でも当たる相手。やるしかない」と思いも定まった。

憧れの石川祐希(ペルージャ)のように、将来は日本代表やイタリアで活躍したいという思いを胸に、今は春高で全力を尽くす。「特別な春高で、畑野先生のためにも自分たちのためにも3冠を」と力を込めた。(只木信昭)

■一ノ瀬 漣(いちのせ・れん) 2008(平成20)年9月30日生まれ、17歳。佐賀市出身。小2でバレーをはじめ、大和中時代は佐賀VBクラブでヤング全国大会優勝。JOC杯都道府県対抗では2、3年時に優秀選手賞。3年時の2月に全国中学選抜に選ばれ、欧州遠征に参加。鎮西では1年時からレギュラーで、2年で全国高校総体、国民スポーツ大会優勝。身長191センチ、最高到達点339センチ。家族は両親と弟。

▼鎮西(ちんぜい)高校 1886(明治21)年、浄土宗鎮西支校として設立。1905年に鎮西中学、48年に新制高校に。男女共学で普通科が進学・就職、グラフィックデザイン、ダンス、スポーツなどの科目に分かれる。卒業生には2008年北京五輪ビーチバレー代表で参議院議員の朝日健太郎氏やバレー日本代表の宮浦健人(名古屋)、シンガーソングライターの村下孝蔵ら。生徒数650人。芥川隆浄校長。熊本市中央区九品寺3-1-1。

◆主催 (公財)日本バレーボール協会、(公財)全国高等学校体育連盟、フジテレビジョン、産経新聞・サンケイスポーツ、FNSフジネットワーク

◆後援 スポーツ庁、文化放送、ニッポン放送

◆特別協賛 ジャパネットホールディングス

◆オフィシャル飲料協賛 ポカリスエット

◆協賛 au、中央日本土地建物グループ