<全国高校サッカー選手権:興国2-0帝京大可児>◇29日◇1回戦◇U等々力6年ぶり2度目出場の興国(大阪)が大会初勝利を…
<全国高校サッカー選手権:興国2-0帝京大可児>◇29日◇1回戦◇U等々力
6年ぶり2度目出場の興国(大阪)が大会初勝利を挙げた。
0-0で迎えた後半17分、FW田中凰我(おうが、3年)が個人技で右サイドを突破し、クロス。パスを受けたFW佐藤瞭太(3年)が放ったシュートは相手に阻止されるも、こぼれ球をFW安田光翔(ひろと、3年)が左足で押し込み、ネットを揺らした。
初出場した19年度大会は初戦で昌平(埼玉)に0-2で完封負け。安田の1発が同校の全国選手権第1号となり、「歴史的勝利に貢献できてうれしい」。同23分には右サイドでスルーパス受けた安田が右足で追加点をマーク。試合後は「本当にいろいろな人の支えがあって、この舞台に立つことができた」と感慨に浸った。
同校は11月の大阪府予選で優勝した翌日に部員の飲酒が発覚。今大会は飲酒を認めた部員を除くメンバーで出場し、悲願を達成した。六車拓也監督(41)は「まずは世間を騒がせてしまったことは指導者として非常に申し訳なかったです」と謝罪。その上で選手の奮起をたたえた。「難しいこと、いろんな声があったのも事実。とにかく選手には『前を向いてやっていこうと』。本当に腹をくくってやってきてくれた」
大会出場も危ぶまれる事態を乗り越えて、歴史的1勝を刻んだ。2得点を挙げたヒーローは「まだ1勝しただけ。目標は日本一なので、もっと高みを目指したい」と先を見据えた。【神谷亮磨】