2025年のJリーグも各カテゴリー、そして各目的に向かって最後までデッドヒートが続いた。J1の鹿島アントラーズが9年ぶ…
2025年のJリーグも各カテゴリー、そして各目的に向かって最後までデッドヒートが続いた。J1の鹿島アントラーズが9年ぶりにシャーレを掲げれば、J2のジェフユナイテッド千葉は17年ぶりにJ1へ復帰。そして水戸ホーリーホックは来季、初めてJ1の舞台で戦う。目の離せない2025年シーズンで輝き、勝利に貢献したのは誰なのか? J1のベストイレブンを日本屈指のJ通である北條聡に「サッカー批評版ベスト11」として選んでもらった!
選ばれた2人のDFは「退場・警告なし」
Jリーグの公式データ《J.LEAGUE STATS》を交えながら、各選手の選出理由に触れてみたい。
まず、GKは早川友基(鹿島アントラーズ)だ。セーブ数107、セーブ率78ともに1位で、今季から新設された月間ベストセーブ賞を4度も受賞。7月の初代表選出以降、その立ち回りに一段と磨きがかかり、鹿島をJ1優勝へ導く立役者となった。J1年間MVPに選出されたのも納得だろう。
次にDF部門。
1人目は植田直通(鹿島アントラーズ)だ。鹿島の堅守を支えた最終ラインの要。空中戦勝利数上位10人の中で勝率77.6は断トツの1位だ。その圧倒的な強さは攻撃面でも際立ち、2得点4アシストをマーク。警告・退場ゼロのクリーンファイトも特筆に値する。
2人目は荒木隼人(サンフレッチェ広島)だ。J1最少失点(24)を記録した広島の防御の柱。空中戦勝利数で2位の実績が示す通り、攻撃面では3得点1アシスト、守備面では敵のロングボール戦法を見事に封じ込めた。植田と同様、警告・退場ゼロも立派の一語。
3人目は古賀太陽(柏レイソル)だ。最後尾から攻撃的なフットボールを支えた功労者。J1最多のパス数(3349)が物語る通り、ビルドアップの起点となる一方、対人の強さで敵のカウンターを阻む働きも秀逸だった。
■名古屋ボランチは「呼び込む力」を評価
続いてMF部門。
1人目はボランチの稲垣祥(名古屋グランパス)だ。球際勝負に滅法強く、デュエル勝利数132は堂々の1位。もっとも、それ以上に光ったのがゴールを呼び込む力だ。3列目の選手では異例の11得点5アシスト。下位に沈むチームの中で圧倒的存在感を放った。
2人目は小泉佳穂(柏レイソル)だ。柏の攻撃を自在に操った司令塔。必要なときに、必要な場所に現れ、決定的な仕事をやってのけた。その影響力は7得点4アシストという数字以上のものがあった。
記事後半では、MFとFW、残る5人を発表しよう!