日本相撲協会は25日、臨時理事会を開き、木瀬部屋の幕下以下力士による暴力問題の懲戒処分を決議した。委員から年寄への降格と…
日本相撲協会は25日、臨時理事会を開き、木瀬部屋の幕下以下力士による暴力問題の懲戒処分を決議した。
委員から年寄への降格となった師匠の木瀬親方(元幕内肥後ノ海)は「聞きたいことがあるだろうけれど、ごめんね」と言い残し、言葉少なに東京・両国国技館を後にした。
調査によると11月7日、木瀬部屋の九州場所宿舎で力士Aが力士Bの顔面を少なくとも5~6回、力いっぱい殴った。力士Bが力士Aの財布の中から現金を盗んだことを確認し、激高したという。
力士Bは病院での治療は受けなかったが、両目の周りにあざができ、九州場所の休場を余儀なくされた。協会は「力士Bにも現金を盗んだという落ち度が認められるとはいえ、このような悪質な暴力を振るうことを許容する理由にはならない。さらに、力士Bは、過去にも力士Aから暴力を受けたことを告白しており、力士Aは否定するものの、他の力士が目撃証言をしていることから、常習性があったものと認定せざるを得ない」とした。ともに関取経験者ではないという。
力士Aは出場停止2場所の懲戒処分が相当と判断されたが、自らの責任を取って引退を決意。木瀬親方が協会に引退届を提出した。この日の理事会では「自主引退を認めてこれを受理するものの、懲戒処分とした場合は、出場停止2場所相当の事案であったことを確認」した。
木瀬親方は監督義務違反、報告義務違反に加え、過去に懲戒処分歴があることから降格処分となった。協会は「今後は、全協会員に対し、暴力根絶を改めて伝えるとともに、師匠・年寄には、弟子の指導・監督の徹底、万一暴力が発生した場合の報告の徹底を通知する」と再発防止に取り組む。