今年の西武ドラフト1位は明治大・小島 大河捕手(東海大相模)だった。西武が捕手を1位指名するのは13年の森友哉(大阪桐蔭…
今年の西武ドラフト1位は明治大・小島 大河捕手(東海大相模)だった。西武が捕手を1位指名するのは13年の森友哉(大阪桐蔭)以来、12年ぶり。スマートな体型で安打を量産する小島の姿に西武ファンからは95年ドラフト1位の高木大成を思い出すという声も多い。高木は98年、134試合で打率.276、17本塁打、84打点の活躍でリーグ優勝に貢献した。将来的には小島も「打てる捕手」として期待が大きい。
東京六大学ではリーグ通算69試合、84安打、7本塁打54打点、打率.349とハイアベレージを記録した小島の将来を考えていきたい。
まず一番の長所である打撃。1年目から一軍レベルの投手に対応できそうなバットコントロールの良さがある。スクエアスタンスで構え、右足を高々と上げながらも早めに始動を仕掛けることで、振り遅れたりヘッドが下がることなくボールを捉えられるので、凡フライが少ない。また、打つポイントが広く、引っ張りだけではなく、逆方向にもライナー性の打球を打ち返すことができる。
スイング軌道を見ても、インパクトまで無駄なく最短距離で振り抜くことができており、軸のブレも小さい。春、秋のリーグ、日米大学野球選手権大会など1年中、打撃フォームを大きく崩すことがなかった。他の大学生打者と比べてもこの安定感は頭一つ抜けている。打者として計算が立つ選手になりそうだ。
一方、捕手としては超強肩というわけではないが、ステップワークが軽快。1.9秒台のスローイングを記録する。これはイニング間の送球タイム。中には走者がいると遅くなってしまう捕手がいるが、小島の場合、難しい体勢からでもストライクスローできる体の使い方の良さがある。また、相手打者の苦手なゾーンに、強気に攻める傾向が見られる。
捕手については覚えることはたくさんあると思うが、飲み込みが早く、一軍にアジャストできる日も遠くないだろう。
古賀悠斗捕手(中央大)らがいるが、西武に絶対的な捕手はいない。小島は打撃センスが非常に高いので、外野手転向など捕手以外の選択肢もあるかもしれないが、西武の選手編成を見ると、外野の争いが一番熾烈。捕手のほうがチャンスがある。しっかりと捕手のスキルを高めることが一番、試合に出られる近道ではないか。
打撃フォームの良さ、対応力を見ても明治大の1学年先輩で、100安打以上を記録した楽天の宗山塁内野手(広陵)に負けてないものがあり、打てる人材がほしい西武にとっては理想的な選手だ。
ただ体力的な消耗が激しい捕手でプロの捕手と比べるとまだまだ細身。古賀との併用などもあれば、1年目は一軍50試合前後と予想する。その中で1年間、一軍に耐えられる体力作りも必要となるだろう。
上手く育てば、打率3割前後、10本塁打、OPS.700以上を毎年狙える捕手として活躍できるだろう。