<We love baseball>プロ野球選手になっても初心を忘れない。ロッテ小川龍成内野手(27)には必ず行うルーテ…
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プロ野球選手になっても初心を忘れない。
ロッテ小川龍成内野手(27)には必ず行うルーティンがある。ネクスト・バッタースボックスに入ると、無造作に置かれているバットを1度手に取り、きれいに置き直す。バットだけではない。スプレーや小物類も所定の位置に並べ直す。乱れがあれば自然と手が伸びる。その姿からは、道具1つ1つを大切に扱う姿勢が伝わってくる。
この習慣の原点は高校時代にあるという。「『バットのグリップを地面につけるな』って、ずっと教えられてきました。その癖で、バットを置くときも自然と整理するようになったんです」。道具を雑に扱わないという教えが、体に染みついている。「ちょっと乱れていると、気になって重りも整えたりとか、周りもきれいにしたくなっちゃって」と今では欠かせないルーティンとなった。
打撃練習でも、その意識は変わらない。バットは必ずネットに立てて、自分が使った後はきちんと整える。道具や環境を大切にすることが、結果的に自分の集中力やプレーの質を高めている。
グラブにも強いこだわりを持つ。湯もみの段階から関わり、「ZOZOマリンでお湯ためて、つけて、乾燥させて作ってますね」と語った。細かな調整を重ねることで、自分だけの相棒が完成する。
日頃から道具を丁寧に扱う姿勢から小川の人柄が見える。5年目の今季は、昨季より出場数こそ減ったが、打率2割6分4厘は自己最高だった。二遊間の守備は首脳陣の信頼も厚い。来季こそ、定位置確保を狙う。単なる習慣ではなく道具を大切にし、野球への真摯な向き合い方が飛躍につながるはずだ。【星夏穂】