フィギュアスケート女子で26年ミラノ・コルティナ五輪の3枠目の代表切符を勝ち取った千葉百音(20=木下グループ)が、初の…
フィギュアスケート女子で26年ミラノ・コルティナ五輪の3枠目の代表切符を勝ち取った千葉百音(20=木下グループ)が、初の夢舞台へ決意を新たにした。3位だった全日本選手権から一夜明けた22日、東京・代々木第一体育館での「メダリスト・オン・アイス」前に会見に出席。同じ仙台市出身で五輪2連覇王者の羽生結弦さんに受けた薫陶を胸に、ミラノで輝くことを誓った。男子で五輪初出場を決めた佐藤駿(エームサービス/明大)も羽生さんからの影響を明かした。
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日本代表ジャージーを着た千葉が、ニッと笑った。グランプリ(GP)ファイナル5位の涙から、全日本3位で3枠目奪取の歓喜へ。「紆余(うよ)曲折ある年だったけど、なんとか結果に結びつけられた。ずっと夢に掲げてきた五輪。実感が湧いてきた」と安堵(あんど)感をにじませた。
五輪と言われて、真っ先に思い浮かぶのが14年のソチ。幼少期に同じアイスリンク仙台を拠点とした羽生さんの姿だ。「とにかく全身全霊で全てをかけて演じている。見ていてすごく心が突き動かされたし、強烈な印象が残っている」。同大会で初めて頂点に立った憧れの姿を目に焼き付け、夢舞台を強く志した。
11歳年上。「ゆづる兄ちゃん」「もね」。実家には互いをそう呼び合うビデオが残っている。リンクで鬼ごっこをして遊んでもらったこともあった。当時から漠然と「すごい人」。自身が世界で活躍し、その重みを肌で感じるようになった。「尊敬してもしきれないくらい、すごいことをしている。競技力も人間性も、偉大な方」。その足跡を追いかけ続けてきた。
京都に拠点を移して3季目。勝負のフリーに「ロミオとジュリエット」を選んだ。くしくも羽生さんがソチで滑ったのも名作戯曲の楽曲。「偶然とはいえ、感じるものがある。自分が思い描く『ロミジュリ』を演じられるように頑張りたい」とうなずいた。20年全日本選手権。前年から成績を落として20位に沈んだ際、羽生さんが「(千葉に)もっと練習させて」と言っていたと人づてに聞いた。ミラノでは「お兄ちゃん」に誇れる好演を。20歳の決意は固い。【勝部晃多】