安打数はリーグトップ…チーム打撃成績が向上 今季、2年ぶりのAクラス入りを果たしたオリックス。チーム打率.255(リーグ…

安打数はリーグトップ…チーム打撃成績が向上

 今季、2年ぶりのAクラス入りを果たしたオリックス。チーム打率.255(リーグ2位)、1252安打(同1位)、100本塁打(同3位)、502得点(同3位)は、昨季成績(打率.238、1113安打、71本塁打、402得点)から大きく改善。また、昨季リーグ最多の78失策だった守備も、リーグ最少の64失策に減少した。チーム打撃成績を含めた数値の向上が、上位進出の一翼を担ったといえる。ここでは、今季活躍が目立った野手陣を取り上げる。

 まず名前を挙げるのは、FA移籍2年目の西川龍馬外野手。オープン戦では打率.051と低迷するも、開幕戦で3安打を放つと、4月5日までの7試合のうち6試合でマルチ安打と好調な滑り出しを見せた。5月25日のソフトバンク戦で先制2ランを放ち、通算1000安打を達成。さらに、6月13日から13試合連続安打を記録するなど、6月は月間打率.357で月間MVPも受賞した。

 しかし7月1日の西武戦で左足首を負傷し戦線離脱。8月19日に1軍復帰し、シーズン終盤まで首位打者を争ったが、9月20日のソフトバンク戦で右脛骨骨折の怪我を負い再び離脱することに。度重なる離脱で規定打席に31打席届かずタイトルは逃したものの、打率.310、120安打の好成績を残した。

 中川圭太内野手もシーズンを通して打線をけん引した。5月に月間打率.218と不振に陥るも、6月以降に調子を取り戻し、7月16日の楽天戦で自身初のサヨナラ本塁打を放ち復調を印象づけた。

 その後も勢いは止まらず、8月は月間打率.400。8月17日の西武戦を皮切りに4試合連続本塁打を放つなど絶好調だった。さまざまな打順での起用に応え、リーグ3位の打率.284、自己最多に並ぶ12本塁打、53打点をマークし、プロ7年目で初のベストナインに選出された。

2018年ドラフト1位の太田椋はキャリアハイのシーズンに

 太田椋内野手も7年目の今季、キャリアハイの成績を残した。開幕戦でパ・リーグ第1号となる本塁打を放つと、4月は球団右打者最多タイとなる月間39安打を記録。首位打者を快走していたものの、5月18日に受けた死球の影響で約1か月の戦線離脱を余儀なくされた。

 6月13日に1軍復帰すると徐々に調子を戻し、8月26日のロッテ戦では自身初のサヨナラ打。レギュラーシーズン最終戦まで1軍出場を続け、自己最多となる113試合に出場し初の規定打席に到達。リーグ4位の打率.283、10本塁打、52打点と好成績を残し、飛躍のシーズンを送った。

 プロ10年目の廣岡大志内野手は今季、主に中堅手・三塁手として自己最多の118試合に出場。6月中旬から約1か月、右肋骨骨折により戦線を離れたがシーズンを通してチームに貢献した。5月14日の日本ハム戦ではプロ初の満塁ホームラン、8月17日の西武戦ではプロ初のサヨナラ本塁打と、印象的なアーチも目立った。

 杉本裕太郎外野手は4月、6月と月間打率が3割を超え、交流戦では12球団5位の打率.333をマーク。7月、8月は月間打率1割台と低迷しながらも、8月2日に5年連続2桁本塁打を達成。9月に再び調子を戻すと、10月12日、日本ハムとの「2025 パーソル クライマックスシリーズ パ」ファーストステージ第2戦では先制弾を放った。

 好不調の波があった1年だったが、チーム最多16本塁打、打率.259、53打点と昨季(11本塁打、打率.233、27打点)から数字を伸ばし、Aクラス入りに大きく貢献した。

若月健矢はパ・リーグのベストナインに初選出、GG賞も受賞

 開幕戦の9回に決勝打を放つなど、前半戦で3度のサヨナラ打を記録した若月健矢捕手。7月、8月は月間打率3割超えと夏場にかけて安打を量産し、プロ12年目で初のシーズン100安打に到達した。また、正捕手として118試合に出場し、2年ぶり2度目の「三井ゴールデン・グラブ賞」に加え、パ・リーグのベストナインにも初めて選出された。

 野手最年長の西野真弘内野手は、6月からシーズン終了まで月間打率.280以上を記録し、自己最多となる7本塁打をマーク。二塁・三塁の守備でも堅実なプレーを見せ、攻守にわたって頼もしい活躍を見せた。

 投手陣に離脱者が相次いだ一方、野手陣は安定した成績を残し、チームは2年ぶりのAクラス入り。3連覇を果たした2023年以来、3年ぶりのリーグ優勝を狙う来季も、オリックス打線の奮起に期待したい。(「パ・リーグ インサイト」西嶋葵)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)