広島矢野雅哉内野手(27)が打撃向上を目指し、福地流練習法を取り入れている。今季は開幕スタメンを勝ち取るも、打撃の状態が…
広島矢野雅哉内野手(27)が打撃向上を目指し、福地流練習法を取り入れている。今季は開幕スタメンを勝ち取るも、打撃の状態が上がらずにレギュラーポジションを失った。先発出場は昨季の127試合から85試合と大きく減り、打率も2割8厘と苦しんだ。
秋季キャンプでは福地打撃コーチからの指導もあり、新たな打撃構築に一定の手応えを得た。福地コーチは現役時、代走から打率3割をマークするリードオフマンに上り詰めた実績がある。オフの取り組みについても助言をもらい、ティースタンドに球を置いたティー打撃を黙々と続ける。フリー打撃でも体の開きが早くなる悪癖改善のため、マシン相手の打撃練習は封印。左翼、中堅、右翼にそれぞれゴロ、ライナー、フライと全9カ所に打ち分ける意識を徹底する。「今はそれだけを意識してやっています。(今季は)いろんなことを考え過ぎた。そういう経験ができたこともある意味、良かったかなと」。打撃状態が上向かず、方向性すら定まらないまま試行錯誤を繰り返して終えた今季への反省もにじむ。
24年にゴールデングラブ賞を受賞した守備力は健在で、打力向上が遊撃再奪取の鍵となる。「来年は自分の中で“やり返す”というテーマなので、そこだけを意識してやっていきます」。シーズン終了後から力を入れる筋力強化とともにバットを振り続け、捲土(けんど)重来を期す。【前原淳】