パイレーツ時代以来となるメジャー復帰を果たしたポンセ(C)Getty Images 日本、韓国の球界を渡り歩いた“助っ人…

パイレーツ時代以来となるメジャー復帰を果たしたポンセ(C)Getty Images

 日本、韓国の球界を渡り歩いた“助っ人”は、今オフに自身の夢であったメジャー復帰を叶えた。去る12月11日に、ブルージェイズと3年総額3000万ドル(約46億円)の契約を締結したコディ・ポンセだ。

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 22年にパイレーツから日本ハムに加入して以来、計3球団に移籍して、日韓両球界で酸いも甘いも見てきた。そんな稀有な経験が31歳の右腕を変えた。

 とりわけ2025年シーズンは圧巻だった。KBO(韓国プロ野球)リーグのハンファで、開幕15連勝をやってのけたポンセは、最終的に17勝(1敗)、防御率1.89、252奪三振と投手3冠を達成。「打高投低」が顕著な同国リーグでMVPも手にする異彩を放った。

 メジャー復帰へのステップアップを果たしたポンセ。ブルージェイズ移籍後に米ポッドキャスト番組「Baseball is Dead」に出演した彼は、日本の野球を「非常に厳しい。徹底した規律の中にある」と表現。一方で韓国の野球を「また、メジャーリーグを目指す以上、すべてに真剣に向き合う必要があるけど、韓国では『純粋に野球をするだけ』という感覚があった」と振り返る。

 たしかにNPB時代の彼の成績は、決して芳しくはない。通算成績は10勝16敗、防御率4.54と鳴かず飛ばずだった。成功を掴めなかった背景には「侍が刀を振りながら状況に応じて軌道を調整するように、打者は最後までスイングを修正してくる」という日本人打者への適応と、選手を取り巻く環境の違いがあったと漏らす。

「日本では、相手の打者に関する詳細なヒートマップやデータを受け取った記憶がほとんどない。ただ、試合前に座って、その日に対戦する打者とどう勝負するかを話し合っていた。だけど、韓国は違った。先発する3日前からヒートマップと分析映像が送られてきて、バス移動中に3時間ぐらいはずっと映像を見ていた。自分にはそっちの方が馴染みやすかった。マウンドに上がる頃には、相手打者の特徴や癖がすべて頭に入っていたからね」

 それでも日本でのキャリアを「悪い経験だったとは思っていない」と振り返るポンセは、「僕は日本で自分自身のルーティンを築けた」とも回想。コロナ渦も重なって苦戦を余儀なくされた3年間が投手としての基礎構築に役立ったとした。

 アジアで転機を迎え、いわゆる“逆輸入”される31歳。その成否は、今後の助っ人市場の在り方にも影響してくるだけに、興味深く見守りたいところだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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