駒大・佐藤圭汰(4年=洛南)が、故障を乗り越えて、花の2区へ意気込んだ。18日に第102回東京箱根間往復大学駅伝(来年1…
駒大・佐藤圭汰(4年=洛南)が、故障を乗り越えて、花の2区へ意気込んだ。
18日に第102回東京箱根間往復大学駅伝(来年1月2、3日)に向けたオンライン会見に出席。前回は復路7区で1時間0分43秒の区間記録を樹立。総合2位に終わったが、チームの復路優勝の原動力となった。
今大会はエース区間の2区を真っ先に希望した。青学大のエース黒田朝日(4年=玉野光南)との対決を熱望しており、「全日本で同じ区間(7区)を走って大差で負けて悔しい思いをした。今回はいい勝負をしたい」とマイクを握り絞めた。
大学ラストイヤーとなった今季、5月のアジア選手権5000メートルで4位となったが、欠場した7月の日本選手権の前に2度目の恥骨の炎症が発覚。10月の出雲駅伝はエントリー外となり、チームも5位に沈んだ。
しかし、地道な調整を重ね、復帰戦となった11月の全日本駅伝では7区区間3位。2年ぶりの優勝にも貢献し、箱根の前哨戦となった伊勢路で結果を残した。
箱根に向けては、かつて「平成の常勝集団」を率いた名将・大八木弘明総監督(67)が指導するトップチームで鍛え直してきた。
体への負担を考慮し、駅伝に集中するために本職のトラックからロードにシフト。終盤3キロの登り坂を想定し、「全日本の前よりも週に20~30キロは増えた」と話すようにスタミナ強化のために距離を踏んできた。
大八木総監督も「とにかく今の状況だったら2分50秒のペース通して行ってくれれば」と期待する。
京都・洛南高時代には1500メートル、3000メートル、5000メートルの3種目で高校記録を樹立。鳴り物入りで名門に進んだが、1年時の2022年度に3冠を達成した時は出走がかなわなかった。それでも、同年5月には5000メートルのU20日本記録も塗り替えるなど才能の花を咲かせてきた。
度重なる故障に苦しんだが、箱根から世界を目指す21歳のランナーが大学生活の最後に求めるのは、箱根王者の称号。「チームのためにも最後に恩返しをしたい」。王座奪還を置き土産にし、世界のトラックへ羽ばたく。【泉光太郎】