バレーボールの天皇杯皇后杯全日本選手権は11日、東京体育館で決勝ラウンドが開幕。女子で今夏の高校総体を制した金蘭会高(大…

バレーボールの天皇杯皇后杯全日本選手権は11日、東京体育館で決勝ラウンドが開幕。女子で今夏の高校総体を制した金蘭会高(大阪)はVリーグの熊本にフルセットで逆転負けした。

第1、2セットとも馬場柚希主将のバックアタックやエース徳元菜々美(ともに3年)の強打などで連続得点を重ねて奪取。第3セットも14-10とリードしたが、そこからブロックで対応され、相手の移動攻撃を止められないまま逆転で奪われると、その後の2セットも食い下がれなかった。

金蘭会高の池条義則監督が冗談めかして悔しがった。「5セットできたらいいねと話して試合に入ったが…(苦笑)。取って取られて5セットになればいい練習になると思っていたが、(2-0で)ひょっとして勝てるのではと思ったところから逆転されて、ショックから立ち直れなかった。相手は第3セットから変わってきて、粘りあるバレーについていけなかった」。Vリーグチーム相手の〝銀星〟には届かなかった。

「自分たちの課題が出てしまった」とは主将の馬場。「調子がいい時はチームとしてまとまるが、ミスが増えてリズムを崩すと個人個人で焦ってしまい、チームとして戦えなくなってしまう」と振り返った。

来年1月の全日本高校選手権(春の高校バレー)では高校総体に続く2冠を目指す。その〝練習〟として、本番まで1カ月を切った段階で、同じ東京体育館で5セットマッチを戦えたのは意味がある。試合後のミーティングで「選手たちはキョトンとしていたが『年明けにここで負けたら、そんな顔ではいられないんやぞ』と言いました」と池条監督はいう。

高校総体は、大阪府予選2位での出場から優勝。そのため秋の国民スポーツ大会は出場権がなかった。その国スポで優勝した岡山県の主体となったのが就実。馬場は「レシーブがよく、チーム力も一番高い」と警戒する。

就実とは対戦するなら決勝になる。「(そこまでの)一戦一戦、勝てる保証もない。インターハイ優勝だからと天狗(てんぐ)にならず、一戦一戦全力で戦っていきたい」と馬場。主将として「(声掛けなど)過去の先輩方がやってくれたことを後輩にやり、(最後は)池条さんを胴上げしたい」と照準を定めた。