【長岡一也=コラム「競馬白書」】◆未知の魅力の3歳馬ナルカミにも期待 ある騎手の話によると、中京のダート1800米はな…

【長岡一也=コラム「競馬白書」】

◆未知の魅力の3歳馬ナルカミにも期待

 ある騎手の話によると、中京のダート1800米はなんとなく先行馬向きかなと思っているということだった。そのコースにどんなイメージを持っているか、競馬を考えるとき時折気になっている。

 スタート地点が上り坂の途中にあり、どうしてもゆっくり上ることになる。そして、向こう正面の残り1000米過ぎから4コーナーまでが下り坂。最後の直線にはもう一度上り坂が待ち構えている。

 こうしたコース取りだから先行有利なタフな流れの上に、コーナーの角度が急だから、馬混みでもその中にいて立ち回った方がいいというケースが多くなっている。それでも、上がり3ハロンの最速馬が7割ぐらい連対を果たしてきたのは、最後の上りでラスト1ハロンのラップが落ちることが多いということのようだ。

 中京のチャンピオンズCを検討する際、枠順を見てコース取りを考えるのが鍵といつも心に決めているのはそのせいだ。

 今年の日本のダート界は、フォーエバーヤングが米国デルマーで行われたBCクラシックを勝って大いに盛り上がった。同馬は昨年はケンタッキーダービーにも遠征して3着に入っており、国内ではジャパンダートクラシック、東京大賞典も勝っていて、その活躍はダート界の誇りと言っていい。

 まだ、このチャンピオンズCへの出走はないが、こちらでは2年続いて優勝したレモンポップが引退したのを受け継ぎ、この絶対王者の後継争いということになっている。国内のGI級を6戦無敗で締めくくったレモンポップだっただけに、その後継と言っても簡単ではない。

 実はこのチャンピオンズCは、2年続いて1〜3着が全く同じだった。これは平地GIでは初めてのことで、ここで2着を続けたウィルソンテソーロを当然注目すべきだろう。特に昨年はレモンポップにハナ差まで追い上げており、このコースの適性も高いと言える。JBCクラシック5着だったが、軽いダートで改めて見直すのが、この馬に対する見方だ。

 前哨戦のひとつみやこSをレコードで勝ったダブルハートボンドにも注目したい。この4歳牝馬は、ダート1800米の古牡馬混合の重賞を牝馬として10年ぶりに勝つという快挙を成し遂げた。中京のダートは3戦3勝、相性はいい。3走前に5連勝でオープン入りしたばかりで、いよいよGIのステージに。これまでの7戦6勝2着1回の勢いを見せてほしい。

 この2頭を追うのは、未知の魅力の3歳馬にした。海外遠征など今後の可能性を広げるためにも大事な一戦だが、2頭いる中でジャパンダートクラシックを逃げ切り、2冠馬ナチュラルライズに3馬身差をつけたナルカミに期待する。心肺機能の強さで新ダート王を目指してほしい。

 最後に押さえとして、今回がダート2戦目のシックスペンスを。前走南部杯2着からさらに上積みが考えられる。1800米は芝で最も得意としていた距離だった。

「新たなる ダートの王者 決めるとき」