◇国内男子◇ゴルフ日本シリーズJTカップ 事前(3日)◇東京よみうりCC(東京)◇7002yd(パー70)盟友の突然の…

金谷先輩の結婚は知ってましたが…

◇国内男子◇ゴルフ日本シリーズJTカップ 事前(3日)◇東京よみうりCC(東京)◇7002yd(パー70)

盟友の突然の発表は寝耳に水…だったわけではない。金谷拓実が女子プロゴルファーの吉本ここねとの結婚を発表した。入籍は1月だったが、当然、中島啓太は知っていた。しかし、公表のタイミングまでは知らなかった。金谷が大会前日、吉本は女子ツアーの最終予選会に出場中とあって、「いま出るんだとは思いました(笑)」。同じプロゴルファーゆえの驚きがあった。

来季はともにPGAツアー(米ツアー)でプレーする。金谷がフェデックスカップ・フォール(秋季シリーズ)でシード権を獲得した際には「お疲れ様でした」とメッセージを送った。日本ツアーの最終戦に出場することも知り、「その時点で初日同組になることは分かっていたので、すごく楽しみにしていた」と2歳上の先輩とのラウンドを喜んだ。

自身は欧州ツアーで24試合を戦い、年間ポイントランキング上位10人に付与される米ツアー出場権を得た。最終戦の最終日までもつれた争いは、極限のプレッシャーとの戦いだったという。「最後の2試合は毎ショットでポイントが変動するような展開。ゴルフ場を出てホテルでもずっと緊張感があった2週間だった」。だからこそ、出場権をつかんだ際には涙があふれた。「解放された、ホッとした気持ちだった」と話した。

2023年に米ツアー最終予選会を受けてから2年越しの悲願となったが、歓喜に浸る時間はそう長くない。「もうあと1カ月もしたら(来季が)始まってしまう。このままいっても、全然通用しないだろうな」と自己評価は厳しい。年間ランクでは上位につけたものの、メジャー「全米プロ」を含む9回の予選落ちは不安要素だ。弱点に「武器がないこと」を挙げた。

「自分にはこれといって自信の持てる分野がない。シーズンを戦っていればそこは苦労するだろうなと。困ったときにそこに頼れないので。自分が唯一持てる強みがないのが不安」と吐露した。

だが、ヒントはある。韓国開催だった10月「ジェネシス選手権」でのこと。松山英樹に同行していた黒宮幹仁コーチと話す機会があった。自分の武器が分からず聞いてみると、「アマチュアで『パナソニックオープン』(2021年)に勝ったとき、全ドラ(パー3以外の全ホールでドライバーを握ること)だったのが印象的だった。やっぱりティショットを武器にするべきなんじゃないか」と助言を受けた。ツアーメンバーとしてのデビュー戦である開幕戦「ソニーオープン」に向け、目下準備を進めている。

10月の米ツアー「ベイカレントクラシック」(横浜CC)は出場したが、日本ツアー競技のプレーは丸一年ぶりとなる。昨年は初日から首位を守る完全優勝に王手をかけながら、最終日に「73」と崩れて国内メジャー初タイトルを逃した。「リベンジができたら一番いいかなと思います」。笑顔も涙もあったシーズンを締めくくる。(東京都稲城市/合田拓斗)