◇国内男子◇カシオワールドオープン 最終日(30日)◇Kochi黒潮CC(高知)◇7375yd(パー72)◇晴れ(観衆…
◇国内男子◇カシオワールドオープン 最終日(30日)◇Kochi黒潮CC(高知)◇7375yd(パー72)◇晴れ(観衆3401人)
苦楽をともにしたキャディが号泣するのを見て涙がこぼれた。大岩龍一が通算21アンダーで並んだ砂川公佑とのプレーオフを2ホール目(18番パー5)で制し、ツアー初優勝。奥ラフ10ydからのアプローチをピンに絡めてバーディを奪い、パーで終えた砂川に競り勝った。
「やっと勝てたなという感じ。勝てる実力があるなと感じたことは1回もないんですが…。勝ちたい気持ちはあるし、2位になったことも何度もありましたし、ちょっと長かったような感じがします」
最終組の1組前で、2打差を追ってスタートした。出だし1番のチャンスホールで57ydからの2打目を60度でOKにつけて、バーディ発進。前半で4つ伸ばして折り返した。最終18番(パー5)は2オンに成功し、3mのバーディパットもねじ込んだ。7バーディ「65」でホールアウトして、プレーオフに持ち込んだ。
2年前の悪夢をようやく上書きした。2023年大会で予選落ちを喫し、賞金シードを失った。「僕にとって、けがやショットのイップスやいろんなことが重なった最悪の年。あれを忘れることはないし、最高の思い出も最悪の思い出もこの高知になるということで、そういう意味できょうは良かったかな」。今年3月には首都高速道路で追突被害に遭い、夏場には逆流性食道炎に苦しんだ。棄権も3回あった。満身創痍の体でシーズンを走り抜けた。
高校時代から教わる谷将貴コーチには感謝しても仕切れない。「谷さんがいなければ今の自分のゴルフはなかったと思うし、逆に言えば僕の持っている技術のほとんどは谷さんから教わったことなので本当に感謝しています」。スイングを矯正させるため、ときにはラウンドを禁止されたが、「自分は確実に前に進んでいる」とプロへの道を歩んでいることを実感させてくれた。
優勝賞金3600万円を獲得して賞金ランキングは4位に浮上した。初めての賞金王へは次週の最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」(東京よみうりCC)での優勝が最低条件になる。「(賞金王に)なれなくてもしょうがないかなと思いますが、優勝は目指します」と2025年シーズンの連勝締めを誓った。(高知県芸西村/玉木充)