高校野球界では2025年もたくさんのヒーローが誕生した。秋からの新チームにも、2026年度に輝きを増しそうな選手はたくさ…

高校野球界では2025年もたくさんのヒーローが誕生した。秋からの新チームにも、2026年度に輝きを増しそうな選手はたくさんいる。そのなかで未来のヒーロー発掘も含め、好プレーヤーを紹介していきたい。明治神宮大会で初優勝した九州国際大付(福岡)には、チームメートから「ドカベン」と呼ばれる選手がいる。

 明治神宮大会の決勝。神戸国際大付(兵庫)相手に11対1で快勝して優勝したが、9回にトドメの2ランを放ったのは、上岡 煌内野手(2年)。175センチ、107キロの巨漢のパワーを生かして、左投手の肩口から入ってくるような変化球を思い切り引っ張った。打球はピンポン球のように軽々と飛んでいき、右翼席中段で大きく跳ねた。体型からは想像もつかないスイングの切れとスピードが印象的だった。

 上岡には、ほかにも良さがある。明治神宮大会の初戦、山梨学院(山梨)戦では2安打を放ったが、いずれも左前安打と、逆方向への打球だった。4回は外角球をうまく流し打って適時打。8回にはやや内角高めの直球を詰まりながらも左翼前へ落とした。花巻東(岩手)戦の1安打は中前安打。左投手の逃げていく外角低めのスライダーをうまくすくい上げ、左中間へ運んだ。決勝の神戸国際大付の6回にも左前安打を放っている。

 投手に向けている右肩が、なかなか開かない。手元までじっくり球を見定めて強振するため、逆方向への打撃がいい結果につながっている。体に似合わず、器用な「ドカベン」なのである。九州大会では途中出場が多かったが、終盤からはスタメン出場。明治神宮大会でも7番で抜擢され、結果を残す「勝負強さ」と「大舞台での強さ」も兼ね備えている。

 21年の明治神宮大会4強メンバーにも、体重100キロを超える佐倉 俠史朗内野手(現ソフトバンク育成)が4番に座っていた。その先輩を彷彿させるような体型と打撃。チームメートにも愛されるキャラの持ち主で、器用な一面ものぞかせる逸材の成長にも目が離せない。