サッカー日本代表の年内の活動が終了した。締めくくりとなる11月シリーズの2試合は、来年のワールドカップ本大会に向けて、…
サッカー日本代表の年内の活動が終了した。締めくくりとなる11月シリーズの2試合は、来年のワールドカップ本大会に向けて、何を日本代表にもたらしたのだろうか。サッカージャーナリスト大住良之と後藤健生が、徹底的に語り合った!
■試合中のシステム変更は「なし」?
――来年3月となる次回の活動は、選手の重要な見極めの機会となりそうです。
大住「そうだよ。でも3月に選ばれても、その後の国内リーグでコンディションを落としたり、試合に出られなかったりしたら、ワールドカップに行くのは難しくなるかもしれない。選手も選ぶ側の監督も、本当に大変だよね」
――チームとしては、どのように完成度を高めていくのでしょうか。
後藤「一度も成功していないのは、試合中のシステム変更だよね。ほとんどトライしていないし、うまくいった試しがない」
大住「アメリカ戦でやってみたけどね」
後藤「だけど、あまりうまくいかなかった」
大住「期待した効果は得られなかったよね。あの結果を受けて、4バックは使わなくなった」
後藤「今回の相手で試したかったよね。頭からというのではなくて、途中から4バックに変えるというパターンを試したかった。相手とのチーム力に差がある今回もやらなかったということは、基本的に試合中のシステム変更はなしだね」
大住「そうだと思うね。トライするならば堂安律を先発させて、後から菅原由勢を出して4バックにシフトするということは可能だったと思うけど、そういう考え方ではなかった。菅原が伊東純也の代わりになれるか、見極めていたのかな」
■3月に「イングランド」と対戦!
後藤「基本的にはアジア最終予選で成功した形でやっていこうということじゃないのかな」
大住「3バックに変えたのは、2024年1月のアジアカップがきっかけだった。長い球を放り込まれて不安定になることを繰り返したので、思い切って3バックにした。そんなスタートだったけど、ウィングバックに攻撃的な三笘薫や堂安律を使うことで、4-2-3-1や4-1-4-1で戦っていたときよりも、攻撃もはるかに良くなったような気がする。攻撃が良くなることで守備も安定して、相手にとって怖いチームになっていると思う。だから今、システムを変える必要はない。ただし、今回ガーナが研究して、完全に日本の形にマッチアップしてサイドを破られないようにと守ってきた例もある。森保一監督も言っていたけど、そういうふうに対処されたときにどう崩していくかは、名波浩コーチを中心に考えていくと思う。次の段階でやるべきなのは、そういうことじゃないかな」
後藤「なるべく3月はこれまでと違った戦い方をする相手と試合をしたほうがいいよね。いろいろな経験を積んでおけば、来年いざ本番で相手が何かをしてきたときに、これはあのチームがやってきたことと同じだね、と対処できるから」
大住「3月にイングランドとウェンブリーで対戦するという話があるよね。イングランドとしても、対戦したい相手だと思うよ。ヨーロッパのチームとは違うやり方で、ドイツもブラジルも倒しているチームなんだから」
■これまでと「違うタイプ」と試合
――その他に、本大会までの宿題はありますか。
大住「後藤さんが話したように、これまで対戦したのとは違うタイプのチームと試合をすることだね。これまで1試合ごとに、こういう相手だからこう攻めて守るという経験を積み重ねてきている。そういう積み重ねでチームの幅が広がり、財産となって対応力ができる。ワールドカップ本大会で今まで対戦したことがないチームと当たっても、引き出しとして使えるようになると思う。あと、3月の試合で絶対にあってはいけないのは、今回の2試合のようなユルい時間が生まれること」
後藤「9月は北米の2チームと対戦した後、南米勢と3試合、アフリカと1試合やった。さらに来年3月にヨーロッパのなるべく強いところと2試合やれば、各大陸のチームを万遍なく経験できることになる。ほとんどの選手がヨーロッパにいるんだから、向こうで試合をすれば良い状態で戦えるよ。最後のテストにうってつけだ」