(19日、明治神宮野球大会高校の部決勝 九州国際大付11―1神戸国際大付) 新チームになって最初の全国大会。決勝の大舞…

 (19日、明治神宮野球大会高校の部決勝 九州国際大付11―1神戸国際大付)

 新チームになって最初の全国大会。決勝の大舞台を支配したのは、九州国際大付(福岡)の1年生、岩見輝晟(らいせ)だ。

 先発した187センチの長身左腕は、角度のある130キロ台の直球に力がこもっていた。スライダーは低めに決まり、九回途中まで11奪三振。大会通算5本塁打と好調だった神戸国際大付(兵庫)の打線をほんろうした。

 九回2死まで1失点に抑え、完投まで残り1死。この場面で伝令が来た。

 「(楠城祐介)監督からの伝令で『自分たちで、どっちが投げるかきめていいぞ』と言われた」

 九回の守りから、背番号1の渡辺流(2年)が一塁の守備に入っていたからだ。渡辺は抑え役として登板することが多かった。

 内野陣で相談した結果、「(同じ1年の)ショートの吉田(秀成)が『俺たちは来年また神宮で優勝すれば良い』と言ったので、エースに任せようと思いました」。

 先輩の渡辺にマウンドを譲った。岩見は一塁から歓喜の輪に加わった。

 「先輩・後輩の関係はそんなに厳しくない。みんな仲が良いから強いのかなと思う」と岩見は言う。

 打線でも1年生の活躍が目立った。

 一回1死二塁。3番吉田秀成は低めの直球を捉えて右前にはじき返し、先制の適時打を放った。

 六回に追加点を挙げたのは、8番・レフトの雪野陽真(はるま)だ。2死満塁から「変化球が来ると思って狙っていった」。その言葉通り、初球のスライダーを中前に運び、2点適時打で突き放した。

 雪野は今大会、準々決勝で先発出場したが、3打数無安打に終わった。準決勝は出番なし。再び決勝でチャンスをもらうと、3安打3打点と結果で応えた。

 雪野も「先輩が優しいのでプレッシャーなくできた。のびのびとさせてもらったことが良いプレーにつながりました」と語る。

 普段から、学年に関係なく話す機会が多いという。

 「主将の城野(慶太)さんは厳しくてちょっと怖いですけど、練習中のミスは『ここはダメだったぞ』とはっきり言ってくれる。寮に戻ったら一緒にご飯を食べてコミュニケーションを取ってくれるところがうれしい」

 試合後、先輩たちから「お前、やったなあ!」「ナイバッチ!」と声をかけられた。

 雪野は「ちょっと、ぐっと来てしまって……。涙が出そうになりました」と照れくさそうに笑った。

 夏の福岡大会は決勝で西日本短大付に1―10と完敗した。それでも、あと1歩で甲子園という試合を経験したのは大きい。

 この夏でも主力だった岩見は「3年生があのような経験をさせてくれたから、優勝できたと思う。3年生には感謝しかない」と振り返る。

 上級生たちへの思いを力に変え、初の頂点まで駆け上がった。(室田賢)