西武の田村はトライアウトで打者3人を抑える好投 全力でやったからこそ後悔はなかった。西武から戦力外通告を受けた田村伊知郎…
西武の田村はトライアウトで打者3人を抑える好投
全力でやったからこそ後悔はなかった。西武から戦力外通告を受けた田村伊知郎投手は12日、「エイブル トライアウト2025」に出場し、打者3人をアウトに仕留めた。登板後、「今日に至るまで準備とか過ごし方に本当に何の後悔もない」とすっきりとした表情を見せた。
この日、先頭の阪神・野口を三ゴロ、続く広島・宇草を左飛、最後はDeNA・蓮を力のない右飛に抑えた。「欲を言えばフォークをコースに決めたかったとかはありますけど、本当にゾーンに向かって思い切って投げていく、それが最大の持ち味だったのでその部分はできた」と納得の表情を見せる。
プロ9年目の今季は1軍で20試合に登板。ロングリリーフや敗戦処理などをこなした。一方で、チームは若手の台頭もあり、7月以降は登板ゼロ。2軍では16試合で7セーブ、防御率0.00と好成績を残していたが、1軍に呼ばれることはなかった。
戦力外は2次通告期間である10月27日に発表された。ドラフト会議から4日後。「正直想定外でした」と本音も打ち明ける。同時期の秋の練習では来季に向け、体の使い方を見直していた時期だった。ようやく手応えを感じたタイミングでの戦力外通告は、心に刺さった。
ただ、すぐに切り替えることもできた。これがプロの世界。「通告1枚でもうどうすることもできないっていうのを27日には感じましたし。次に向かって進まないといけない」。割り切ったからこそ、トライアウトの受験も迷いはなかった。タイミング的にも体の使い方に手応えを感じていたからこそ、“お披露目”する場所が欲しかった。
「評価っていうのは選手なので100%受け止めています」。31歳になっても「野球がやりたい」という気持ちに変わりはない。すっきりとした表情で新天地からのオファーを待つ。(川村虎大 / Kodai Kawamura)