芝・ダート・障害の全てでオープンを制し、ジャンパーとして重賞3勝を挙げたタガノエスプレッソは、実にファンの多い馬だっ…
芝・ダート・障害の全てでオープンを制し、ジャンパーとして重賞3勝を挙げたタガノエスプレッソは、実にファンの多い馬だった。そんな個性派が良血馬を倒し、重賞初制覇を果たした14年のデイリー杯2歳Sを振り返る。
タガノエスプレッソは父ブラックタイド、母タガノレヴェントン、母の父キングカメハメハの血統。八木良司オーナーの自家生産馬だった。14年8月のデビューから3着、2着と来て、3戦目の未勝利で初勝利。ここで様々な選択肢があったはずだが、陣営は思い切ってデイリー杯2歳Sへの格上挑戦を決めた。
1番人気はハーツクライ産駒のナヴィオン、2番人気はドリームジャーニーとオルフェーヴルの全弟となるアッシュゴールド、そんな良血馬に交じりながら、タガノエスプレッソも単勝7.9倍の5番人気に支持された。前半600mが36秒0、1000mが61秒1のスローペースの中、道中は好位の外を追走。そして直線に向くと勢い良く先頭に立った。残り200mを切って外からアッシュゴールドが迫ってきたが、勝負根性を発揮。世代屈指の血統馬を半馬身凌いで、初タイトルをつかみ取ってみせた。
その後、芝では重賞勝ちを果たせなかったタガノエスプレッソだが、新天地で輝きを放った。ダートでオープンを勝ち、障害では3つのタイトルを獲得。史上13頭目の平地&障害のダブル重賞制覇という偉業を達成して、歴史に名を刻んだのだった。