「UZR」をもとにGG賞を予想…パ・リーグ編「第54回三井ゴールデン・グラブ賞」が12日に発表される。同賞は記者投票によ…

「UZR」をもとにGG賞を予想…パ・リーグ編

「第54回三井ゴールデン・グラブ賞」が12日に発表される。同賞は記者投票によって選ばれるが、データに基づくとどのような選手が候補になるか。数値をもとにパ・リーグの“守備の名手”を検証した。

 参照したのはセイバーメトリクスの指標などを用いてプロ野球の分析を行う株式会社DELTAのデータ。「三井ゴールデン・グラブ賞」有資格者の82人(野手33人)を対象に、守備で平均的な選手と比べた時にどれだけ失点を増減させたかを示す「UZR」の数値をもとに見ていく。

 一塁手のトップは頓宮裕真(オリックス)の3.0。2位は中村晃(ソフトバンク)の2.0で上位は僅差となっている。二塁手は滝澤夏央(西武)と石井一成(日本ハム)が7.4で並ぶ。2人に続き、首位打者に輝いた牧原大成(ソフトバンク)が2.9を残している。

 三塁手の有資格者5選手のなかでは栗原陵矢(ソフトバンク)の0.9がトップ。それ以外では野村勇(ソフトバンク)の4.7が最も高い数値になっている。126試合出場のうち大半が遊撃手としての出場だったが、三塁手としてもチームを支えた。

 注目は遊撃手。源田壮亮(西武)が7年連続でGG賞に輝いているが、UZRでトップ数値を残したのは友杉篤輝(ロッテ)。3年目の25歳が残した6.1は、源田の0.7を大きく引き離している。ただ友杉を超える7.3を残したのは二塁でノミネートしている滝澤。名手が揃う二遊間でトップを独占した。

楽天・中島が残した12球団トップの“20.7”

 外野で高い数値を残したのは2年目の中島大輔(楽天)。左翼で10.3、中堅で1.4、右翼で9.0と、どのポジションでも上位にランクインし、左翼ではトップに立っている。UZR合計は20.7で12球団断トツ1位。合計値の2位は滝澤の15.0なので、24歳の成長株が今季レギュラーを奪った理由が見てとれる。

 昨年まで4年連続で受賞してきた辰己涼介(楽天)は中堅で-7.0。昨年も-8.2で受賞しており.997の高い守備率がどこまで評価に影響を与えるか。3年連続の受賞を目指す万波中正(日本ハム)は右翼で9.0。強肩を警戒するチームが多いなか、外野手でリーグ4位タイの4捕殺も記録した。

 源田や辰巳をはじめ、GG賞常連の連続受賞を阻む選手は現れるか。12日に発表される“守備の名手”に注目したい。(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』も運営する。