「春の高校バレー」として行われる「JVA第78回全日本バレーボール高等学校選手権大会」(産経新聞社など主催)の埼玉県予選…

「春の高校バレー」として行われる「JVA第78回全日本バレーボール高等学校選手権大会」(産経新聞社など主催)の埼玉県予選は9日、さいたま市桜区のサイデン化学アリーナさいたまで男子の決勝が行われ、フルセットの激闘で、春日部共栄が昌平を3-2で破り、初優勝を果たした。同校は来年1月5日に東京都渋谷区の東京体育館で開幕する全国大会に出場する。

第1セット、春日部共栄は坂本貴啓(1年)、木島央聖(3年)のクロスが決まるなどして好スタート。守備陣も手堅く守り、このセットを先取した。昌平は立ち上がりで堅さがみられ、守備でミスが出た。

第2セット、中盤まで一進一退の攻防で進むなか、春日部共栄は坂本のスパイクなどが決まり、辛くも逃げ切った。昌平は中盤からスパイクが相手ブロックに捕まり追いきれなかった。

第3セット、春日部共栄は坂本のフェイントなど見せ場を作ったが、守備を立て直した昌平に捕まった。昌平は棚沢一葉主将(3年)が「とにかく気持ち前に出そう」との声掛けでチームに積極性が出て攻撃が決まりだし、このセットをもぎ取った。

第4セット、春日部共栄は勢いに乗る昌平の攻撃に屈した。昌平は、棚沢の豪快なバックアタックが決まるなどしてデュースに突入。両チームがお互いに30点を超す息詰まる死闘を制した。

15点を先に入れた方がセットを取る最終の第5セット。春日部共栄は出だしから落ち着いて先行し激闘を制した。昌平は両サイド攻撃で奮闘するも、あと一歩及ばなかった。

この日、応援席で、春日部共栄は女子決勝と同様に男子野球部員も駆け付け豪快な声援。昌平は選手の名前の入ったスクールカラーの緑色の紙を掲げ華やかな応援で会場を盛り上げた。(昌林龍一)

〇春日部共栄・野口優監督「1点1点を粘れた試合だった。2セット目が内容がよく、5セット目は選手たちの気迫を感じた」

〇春日部共栄・伊藤巧寿主将「団結して戦う力は今大会中にどんどん伸びてきた。それが一番発揮できたのが、この決勝だった」

●昌平・掛川厚志監督「選手たちは最後のこの試合まで成長し続けてきた。気持ちを出す熱い試合でフルセットまで持ち込んだ」

●昌平・棚沢一葉主将「ラリーからのクロスなどは決まったが、ブロックが抜けるときがあった。試合は精いっぱいやりきれた」