「春の高校バレー(春高バレー)」として知られる「JVA第78回全日本バレーボール高等学校選手権大会」(産経新聞社など主催…
「春の高校バレー(春高バレー)」として知られる「JVA第78回全日本バレーボール高等学校選手権大会」(産経新聞社など主催)の京都府予選が11月8日から始まる。開幕を前に、激戦区京都の強豪校を6回にわたって紹介する。
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バレー界のプリンス、高橋藍選手の母校としても注目を集める京都の名門、東山(左京区)。ここ2年、春高京都府予選では決勝まで駒を進めるも、洛南に敗れてきた。「本戦に進めなければ、このチームは未完成で終わってしまう」と密度の濃い練習を行う部員たち。どこか殺気立ったかのような緊張感を走らせ「打倒洛南」の闘志を燃やす。
同校の体育館は改修中で近隣中学校の体育館を間借りして練習に励む。時間などに制約がある中、部員たちは徹底したメニュー管理で実力強化を図る。約2時間の全体練習の後、部員側の発案で時間を増やした自主練習が開始。誰一人として手を抜かず、最後の一瞬まで体育館を駆け回る。豊田充浩監督は「本当に強いのは子供たちの自主性に任せられるチーム」と話す。
「高い守備力こそ東山の強み」と話すのは、3年、セッターの山上晴太朗選手(18)。派手な攻めも重視しつつ、いかに粘り強く戦えるかを主眼に練習に励んできた。
昨年の春高府予選決勝後、最初のミーティングで、豊田監督は「(本戦に行けなかったということは)1年間戦いきれなかったチームだ」とげきを飛ばした。3年で主将の中西煌生選手(18)は「まずは3年生が引っ張る。俺らについてこいと背中で示す」と覚悟を示す。
今夏の全国高校総体(インターハイ)府予選では洛南に競り勝ち、全国の舞台を踏んだ。「全国に行かないと味わえない実戦経験と自信が得られた」と中西主将。現在のチームを豊田監督は「8割くらいの完成度」と分析し、「予選で9割、そして本戦で10割」とチームの成長に期待する。「春高の頂点へ」という思いは2年分の悔しさとともに監督、部員たちを熱く駆り立てる。(東九龍)