「春の高校バレー(春高バレー)」として知られる「JVA第78回全日本バレーボール高等学校選手権大会」(産経新聞社など主催…
「春の高校バレー(春高バレー)」として知られる「JVA第78回全日本バレーボール高等学校選手権大会」(産経新聞社など主催)の京都府予選が11月8日から始まる。開幕を前に、激戦区京都の強豪校を6回にわたって紹介する。
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今夏の全国高校総体(インターハイ)京都府予選で準優勝を飾るなど、急激な成長を遂げた京都先端科学大付属(京都市右京区)。チームメートから「誰よりも楽しそうに、いつも一生懸命、バレーに向き合っている大エース」と信頼される、3年の八木成美選手(18)が勝利の鍵を握る。
同部を指導するのは、前田浩志監督(36)と金田梨花コーチ(29)。「チームにはまだまだ伸び代がある」と見る金田コーチは「厳しい上下関係は辛いだけ。楽しく、一生懸命にバレーに向き合うことが何よりも大事」と、風通しの良いチーム作りに取り組んできた。
中学時代に府選抜チームで全国優勝を経験し、1年ながらスタメンでセッターを務める三宅凛選手(15)も「楽しそうにプレーする先輩たちを見て、入部を決めた。来てよかった」。明るいチームの雰囲気が有望選手の呼び込みにもつながっている。
そんなチームの大黒柱が1年次からスタメンとして活躍し、金田コーチが「京都優勝という目標に現実味を与えた。チーム全員の意識を変えた」と評する、八木選手だ。本人は「まだまだ足りない。もっと頼ってもらえるように頑張らないと」と謙遜する。
小学校時代に八木選手を指導した、大井ジュニアバレーボールクラブ(亀岡市)の西川正英監督(52)は「特別な才能があるわけではなかったけれど、バレーが大好きで、一生懸命に取り組む子だった」と振り返る。
インターハイ予選について「初めての決勝で緊張して力を出し切れず、負けたことが何よりも悔しい」と八木選手。経験も実力と前を向くが「最後の春高、このチームで絶対に勝ちたい」と闘争心を剝きだしにしチームを一つにする。(小野田銀河)