「春の高校バレー(春高バレー)」として知られる「JVA第78回全日本バレーボール高等学校選手権大会」(産経新聞社など主催…
「春の高校バレー(春高バレー)」として知られる「JVA第78回全日本バレーボール高等学校選手権大会」(産経新聞社など主催)の京都府予選が11月8日から始まる。開幕を前に、激戦区京都の強豪校を6回にわたって紹介する。
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北嵯峨(京都市右京区)は府立校ながら強豪私立に臆することなく立ち向かい、今夏の全国高校総体(インターハイ)府予選では準優勝の洛南を追い詰めた。本気で挑んだからこその悔しさを胸にリベンジを期す。
チームを率いる同校卒業生の加納友矢監督(40)は「賢いバレーではないかもしれないが、チームが波に乗ると強い」と爆発力が強みと語る。戦術的には基本に忠実な「サーブで崩すバレー」を実現するため、多くの時間をサーブ練習に割いてきた。
激戦区の府内で施設は他校に劣る。校内では強豪の部活が多いこともあり、練習で体育館が使えない日も。主将で3年の林響世(きょうせ)選手(17)は「他校をうらやましいとは思わない。この環境でしか身につかない精神力がある」と前向きだ。2年主体の現チームで唯一、3年でレギュラー入りを果たし「チームの爆発力が発揮されるのは、声が出ているとき。誰よりも大きな声でチームを鼓舞し続けたい」と先輩としての意地を見せる。
中学時代、府選抜チームで全国準優勝を果たしたいずれも2年の田内聖也選手(16)、増田大選手(16)のダブルエースの存在は大きい。田内選手はエースでありながら、「注目してほしいプレーはレシーブ」と強調。180センチのアタッカーだが以前は小柄だったといい、「レシーブでやっていくつもりだった」と長年磨いてきた技術をアピールする。増田選手は姉が北嵯峨女子バレー部で京都制覇を成し遂げた。「テレビで見て憧れた」という姉の背中を追いかけて、府予選制覇を目指す。加納監督は「技術面では十分に戦える。インターハイで落とした勝ちを拾いに行く」と春高への決意を語った。(小野田銀河)