「春の高校バレー」として行われる「JVA第78回全日本バレーボール高等学校選手権大会」の出場権を懸けた秋田県代表決定戦の…

「春の高校バレー」として行われる「JVA第78回全日本バレーボール高等学校選手権大会」の出場権を懸けた秋田県代表決定戦の男女決勝が19日、秋田県由利本荘市のナイスアリーナで行われた。男子は強豪の雄物川が安定した試合運びで迫る秋田工を2―0で押さえ込み、31年連続31度目の全国出場を決めた。女子は秋田北がライバル秋田令和を大接戦の末に2―1で下し4年ぶり7度目の全国切符を手にした。

【男子】雄物川は、1年から全国経験を積んだ長井慶介主将(3年)が選手をよくまとめ、指導中の体罰問題で宇佐美大輔監督が大会直前に謹慎となったハンディを難なく補った。今年は例年通り3年が主体を占めて落ち着いたプレーを展開。佐々木悠成、北田聖人(3年)の高く緩急あるスパイクがよく決まった。昨年の雪辱を期す秋田工は二見大心(同)がスーパーレシーブを繰り出すなど奮闘したが及ばなかった。

【女子】秋田北は3年の佐藤由琉亜、伊東花優らのスパイク、吉田和可、斉藤光希ら長身2年コンビのブロックなどで宿敵令和から1セット先取。令和は鈴木亜莉沙(2年)が強靭なスパイクを左から次々と決め第2セットを奪う。しかし秋田北は鈴木にブロッカー2人を付けるなどして防戦。1、2セットに続き1点取られれば1点を奪う激しいシーソーゲームとなったが、秋田北は佐藤のスパイクで先に20点に達した勢いで試合を決めた。

◇雄物川・赤川育也監督「プレッシャーはあったがしっかり勝ち切れた。相手に迫られる場面もあったが、選手たちにはいつも通りのプレーを心がけるよう伝えた。今日の試合ではレセプションと攻撃の安定性に課題が残ったので、全国大会までに克服する」

◇雄物川・長井慶介主将「先輩たちが打ち立てた連覇記録を今年も更新できてうれしい。攻撃のバリエーションを全部出し切れていないので全国大会までに修正する。国民スポーツ大会で3位となり、レシーブで粘ってつなげれば全国に通用することがわかった。

◇秋田北・船木祐輔監督「サーブレシーブはできていたが、こちらのサーブで相手を崩しブロックで優位に展開するのに苦労した。地道に1点を積み重ね、最後にブロックが決まるようになり、さらに相手の速い展開をサーブで前後に揺さぶったことも奏功した」

◇秋田北・佐藤由琉亜主将「令和の盛り上がりにのまれて自分たちのペースが落ちないよう、どんな1点でも全身で喜びを表してチームの雰囲気を上げることで、ペースを乱さずメンタル面も落ち着いて戦うことができた。全国大会も全員バレーでがんばる」