【栃木】第78回秋季県高校野球大会(県高野連主催)第9日は4日、宇都宮清原球場で準決勝2試合が行われ、文星芸大付と佐野…

 【栃木】第78回秋季県高校野球大会(県高野連主催)第9日は4日、宇都宮清原球場で準決勝2試合が行われ、文星芸大付と佐野日大が決勝進出を果たした。文星芸大付はノーシードから勝ち上がってきた幸福の科学学園を下して、4年ぶりの決勝にこまを進めた。佐野日大は国学院栃木に競り勝って、大会2連覇へ王手をかけた。決勝は大会最終日の5日、同球場である。決勝進出の両校は、10月18日から山梨県である関東大会に出場する。

 4日の結果は次の通り。▽準決勝 文星芸大付6―2幸福の科学学園、佐野日大6―4国学院栃木

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 取られたら取り返す――。文星芸大付の左腕エースで9番打者の津久井雷仁(らいと)(2年)が、投打でチームを牽引(けんいん)した。

 「ひとつの油断が命取り」。そう集中してマウンドに上がり、四回まで一人も塁に出さない好投をみせた。

 ところが五回、外角を狙った直球が真ん中寄りに入って本塁打を浴び、同点に追いつかれた。

 直後の六回、2死二、三塁での打席だった。「自分のミスで点を取られたので、自分で(試合を)つくり直す」。流し打った打球は、左翼線を破る勝ち越しの2点適時二塁打となった。

 九回にも「反撃力」を見せた。八回に2死から3連打を浴び、1点を失った直後の打席だった。中前安打で出塁。次打者の犠打が相手守備の悪送球を誘うと、一気に生還した。自らの打撃をきっかけに、失った1点を取り返した。

 昨年秋の県大会は、準決勝の宇都宮工戦で先発したものの敗退し、雪辱を誓った。その矢先に練習で左肩を痛めたが、速球に頼らず、制球力を高める方向に頭を切り替えて今大会に臨んでいた。

 目標は、関東大会を制して春の選抜大会に出場すること。まだ喜んではいられない。「あす(決勝)はもうひとつギアを上げて、チームで頑張りたい」。最後も表情を引き締めた。(高橋淳)

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 前年王者の佐野日大が攻守に堅実な試合運びで、国学院栃木との私学強豪対決に競り勝った。麦倉洋一監督は「我々が理想とするゲームで良かった」と及第点をつけた。

 昨年秋と今年春の県大会を制したチームと違い、長打を打てる選手はいないという。そこで麦倉監督は「(平凡な)フライを打ち上げたら即交代」と言うほど、ボールをたたきつける単打狙いの打撃を徹底させた。

 さらにバントや盗塁で好機を広げたり、犠飛を放ったりして、得点を欲しいところで取ることができた。

 2安打2打点だった4番須田凌央(1年)は「前後の先輩たちが声をかけてくれたので、リラックスして(バットを)振ることができた」と笑顔を見せた。

 前チームでも投げていたエース鈴木有(2年)の成長も光った。課題としていた初回を打者3人で切り抜け、最後までマウンドに立った。「低めを意識して投げた」と手応えを口にした。

 これで関東大会の出場権を得たが、主将の中村盛汰(2年)ら選手たちは「(栃木県の)チャンピオンとして臨みたい」ときっぱり。春の選抜大会につなげるためにも、全力で頂点を取りにいくつもりだ。(津布楽洋一)

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 ベンチ入りの選手が10人だけの幸福の科学学園が、一昨年夏の甲子園出場校・文星芸大付と渡り合った。だが、全く満足していない。主将の福田健人(2年)は「エラーから失点につながった」と悔しそうだった。

 2回戦で今年夏の選手権栃木大会を制した青藍泰斗を九回に逆転し、勢いに乗った。この試合も五回に佐久川正心(1年)が本塁打を放つなど、前半は同点と競り合った。

 今年は春の県大会、夏の栃木大会で8強入りし、今回は4強。来年に向けて、棚橋誠一郎監督は「守り抜く野球を徹底したい」。エースの三角晃平(2年)は「球速を上げて決め球をつくる。春は関東大会に出場。夏は甲子園に」と誓った。(津布楽洋一)