◇米国女子◇FM選手権 最終日(31日)◇TPCボストン(マサチューセッツ州)◇6598yd(パー72)昨シーズン、西…
◇米国女子◇FM選手権 最終日(31日)◇TPCボストン(マサチューセッツ州)◇6598yd(パー72)
昨シーズン、西郷真央が日本勢34年ぶりに獲得した「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」の争いは今季も国内ツアーから海を渡った選手たちが主役だ。1位の竹田麗央と僅差の2位につける山下美夢有が、3位岩井千怜と4位岩井明愛をリード。そして5位にいたミランダ・ワン(中国)は今大会で初優勝を飾り、双子姉妹に近づいた。
第3ラウンドで「65」をマークしたワンは3打リードで迎えたこの日、前の組を回るジーノ・ティティクル(タイ)の猛追を受けた。世界ランク1位のスコアは終盤把握せず、「自分の仕事に集中した」という。前日の夜にケアを受けたトレーナーから「ソーシャルメディアを見ないように」とアドバイスされ雑音をシャットアウト。スタート時も「何が起こってもそれはゴルフの一部。あきらめないように」と自らに言い聞かせていた。
後半15番のボギーで並ばれてから、17番の2打目がウィニングショットになった。打ち下ろしで9Iを握り、「第2ラウンドでもフェアウェイの同じエリアから同じショットを打った」と自信を持ってピンそば1mへ。バーディを奪って勝ち越し、「70」で通算20アンダー。「8歳でLPGAの試合をテレビで見て始めたゴルフ。いつかツアーに出て、優勝したいと思っていた。自分を誇りに思います」と喜んだ。
中国・北京育ちの26歳は、2019年にNCAA ディビジョンI・団体戦で優勝した米デューク大のメンバーのひとり。下部エプソンツアーで2シーズン過ごし、今季からレギュラーツアーに参戦した。今季初勝利を手にした7人目のルーキーとなり、1シーズンに優勝した新人選手の数は1980年以降のツアーで最多となった。
「同期の選手たちはみんな競争力が高く、素晴らしい選手たちばかり。(山下)美夢有はメジャーで優勝した。私も彼女たちに後れを取りたくない。もっと勝てるように、これが最初の勝利になるように願っています。いつかメジャーで勝ちたい」。国内ツアーから米ツアーに飛び込んだルーキーに刺激を受けているのは、なにも日本人選手だけではない。(マサチューセッツ州ノートン/桂川洋一)