＜清瀬杯 第57回 全日本大学選抜準硬式野球大会：日本福祉大2-1宇都宮大＞◇31日◇1回戦◇石巻市民球場 大学準硬式に…
＜清瀬杯 第57回 全日本大学選抜準硬式野球大会：日本福祉大2-1宇都宮大＞◇31日◇1回戦◇石巻市民球場
大学準硬式における4大大会の1つとされる清瀬杯 第57回 全日本大学選抜準硬式野球大会（以下、清瀬杯）。5年連続で出場となった日本福祉大は宇都宮大と戦い、2対1で競り勝った。
昨年の初戦敗退の悔しさを晴らす勝利となった日本福祉大だが、スタメンに見慣れた名前が並んだ。
3番サード・鈴木誠也（近江出身）
ポジション、打順は違うものの、カブスで活躍する鈴木 誠也外野手（二松学舎大付出身）と同姓同名の1年生内野手。同姓同名だからこそ、活躍のニュースが出れば「大谷 翔平さんよりも嬉しいですよね」と自分のことのように嬉しいという。
この試合は1年生ながらスタメン出場を果たして、2安打でチームの勝利に貢献できたことには「やったろという気持ちと、楽しみな気持ちがあって複雑でした」と語った。
そんな鈴木だが、高校時代は滋賀の名門・近江で3年間を過ごした。
入学した時は、最上級生に山田 陽翔投手（現西武）がいた。その夏の甲子園ベスト4進出など、高校野球界の中心にいた当時は「憧れでしたし、こういう3年生になれるか」という心境だったと振り返る。
その後、多賀章仁元監督のもとで3年間を過ごした後、鈴木は日本福祉大の硬式野球に進む予定だったが、最終的に選んだのは準硬式だった。
「野球をやる以上、『甲子園でプレーしたい』という目標を持っていましたが、2年生の夏、甲子園のベンチ入りメンバーのチャンスを逃し、3年生のセンバツも練習でグラウンドに立ちましたが、ケガの影響もあってベンチ入りはできませんでした。
それで挫折したことを引きずって、チームにも迷惑をかけてしまいました。それをすごく後悔していて、反省をしています。ただ、それでも野球は好きだったので、せめて大学でやり直せたらと思って、準硬式で頑張っています」
こうして準硬式で再び野球人生を歩んでいる鈴木。「レベルは高いと思います」と準硬式のレベルに食らいつきながらチームの戦力として活躍している。その心には中学、そして時代の経験が支えとして残っている。
「中学3年間を過ごした京都シニアは一番きつかったです。技術はもちろん、細かいところをすべて教えてくれた。ここがなかったら今の自分はないですが、特に教わったのは人間性です。これは多賀監督も『野球は人間性だ』と同じような話をしてくださいました。実際、自分は人間性が足りなかったから、2年生の時にベンチを逃し、3年生の時も挫折したので、見抜かれていたのだと今になって感じています」
名将・多賀監督の最後の教え子としてボールは変わったが、「楽しいです。最高です」と準硬式を楽しみながら、高校野球に残した後悔を徐々に晴らしている。まだ1年生、準硬式で納得した形で野球人生を締めくくってほしい。
